HOME |それでも選挙に行こう (古賀ブログ) |

それでも選挙に行こう (古賀ブログ)

2014-12-13 00:44:45

kogashigeakitwitter3_reasonably_small

  • kogashigeakitwitter3_reasonably_small自民党大勝予測で、投票の重要性が飛躍的に高まっている。




 

 

いよいよ投票日が迫ってきた。皆さんは、既に、各党の公約を見て、あるいは、見なくても、彼らが考えていることは概ね理解されているのではないかと思う。そして、各党の考えを理解して行くと、投票先が見つからなくなる人も多いだろう。

 

さらに、仮に投票する候補者や政党を決めたとしても、どうせ自民党大勝だから、行っても自分の票は死票になるだけだと思う人も多いかもしれない。

 

しかし、自民党だけで3分の2を超える地滑り的な結果が出る可能性があるとなると話は全く変わってくる。仮に、小選挙区では自民党以外の候補への票が死票になっても、比例区では1票の重要性が飛躍的に高まってくるからだ。元々、魅力的な候補者が小選挙区にいなくても、比例区では、政党に投票するので、自分の選挙区の候補者が魅力的かどうかは関係ない。

 

もちろん、候補者だけでなく、政党でもまともな選択肢がないと感じる有権者も多いと思うが、その場合は、自民党が衆議院の3分の2を占めても良いかどうかを判断基準にして、その方が良いと思う人は、自民党に投票し、それはまずいと思う人は、自民党以外の政党に入れるということをお勧めする。

 

 

 

  • 憲法改正が視野に入る


 

 

ご存じのとおり、安倍総理が目指す、憲法の抜本的改正を可能にするためには、衆参両院で3分の2以上の多数で憲法改正案を可決しなければならないが、そのための第一段階が、この選挙でクリアされる可能性があるということに十分な注意が必要だ。とりわけ、公明党とあわせて3分の2ということだけだと、安倍氏が狙う超タカ派的憲法改正には公明党が抵抗するので、その実現は難しいが、自民党単独で3分の2以上とれば、公明党が反対しても前に進めることになる。

 

もちろん、参議院でも3分の2をとる必要があるが、それを2年後に達成すれば、道が開かれるわけである。

 

 

 

  • 憲法改正だけではない 法律も何でも通ってしまう3分の2の威力 安保法制も然


 

 

また、憲法以外でも、あらゆる法案は、参議院で否決されても衆議院で3分の2以上の多数で再可決すれば、法律になってしまう(憲法59条1項)。予算については、元々、衆議院の優越が規定されている(憲法60条)ので、憲法改正以外であれば、法律でも予算でも安倍政権が好きなように決めてしまうことができる状況が生まれる。安倍氏の政策を是とする人から見れば、何でも「決められる政治」になるので、極めて好ましい状況だが、安倍氏の政策に反対の人から見れば、恐ろしい事態だ。

 

とりわけ重大なのは、来年の統一地方選後に予定される安保関連法の制定だ。集団的自衛権の範囲などについて、自民単独で決められることになれば、公明党の歯止めは全く利かなくなる。そういう事態を許すべきかどうか、が問われている。

 

 

 

  • 小選挙区と違って比例区の死票は小さい


 

 

小選挙区の定数は295人。各選挙区で一人ずつ当選者が決まる。衆議院の総定数475の3分の2は316.7、つまり317だ。従って、小選挙区で自民党が全勝しても(公明党候補のいるところでは自民党候補者がいないから全勝はありえないが)3分の2の317人にはならない。比例区の定数は180人だが、自民党の単独3分の2が成立するかどうかは、比例区でもかなりの数を自民党が取らなければならない。

 

小選挙区で野党候補が自民候補に全く歯が立たないことを見越して、投票を止めてしまうと、その選挙区の結果には影響を与えないかもしれないが、組織票を固めている自民党の得票の割合が相対的に高まるので、比例区において、比較的少ない得票数でも、自民党の議席が伸びることになる。結果的に、自民党の3分の2達成の大きな助けになる。

そのことを考えて有権者には是非投票に行って欲しい。

 

投票に行かずに、後で安倍政権の「暴走」が始まってから、それでは困るといっても後の祭りなのだ。

 

 

 

  • 期日前投票の勧め


 

 

14日日曜日は、寒い日になるという予報もある。大雪になる地域もあるかもしれない。このメルマガが配信されるのは金曜日だが、可能であれば、土曜日を含めて期日前投票を利用することをお勧めしたい。14日の投票は、多くの場合、小学校などで行なわれるが、期日前投票は、市役所や区役所などで行われる。

役所は、小学校よりも便利なところにあるのが普通なので、当日の投票よりもかえって楽だ。我が家では、いつも期日前に駅近の区役所で投票している。ちなみに、選挙に行く前に、これまでこのメルマガに書いてきたことを参考にしていただければと思います。前回動画版で触れた、アベノミクスに関する本当の争点の話、集団的自衛権・特定秘密保護法、原発政策の公約に見る各党のレトリックの話や、11月14日号のアベノミクスの限界の話は、特に参考になると思います。

 

 

 

  • 第4象限の党の必要性をあらためて痛感


 

 

これまで何回も指摘してきた、第4象限の党(改革はするけど戦争はしない党)がいまだにできていないことが、多くの有権者が投票先がないと悩む原因だということが、今回の選挙でいっそうはっきりしてきたように思います。「民主も維新もタカ派が多く、外交安全保障や原発に関して安心して投票できない」、一方、「共産党は、その点安心だが、バラマキの経済政策に陥って日本経済がおかしくなるのではないかという不安が付きまとう」という声を多くの方からいただきます。

 

それでも、安倍政権の独走を止めるという意味では、経済政策よりも外交安全保障の軸が、今回の選挙では大事だと考える人の多くが共産党に投票することが考えられます。前回も、初めて共産党に入れたという人がたくさんいましたが、今回は、さらにその傾向が強まる可能性がありそうです。

早く第4象限の党を立ち上げなければならないという思いが日増しに強まっています。選挙後には、さらにその気持ちが強くなりそうな気がします。