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化学合成農薬の使用削減基準がないのは北海道、青森など16県。ネオニコチノイド系農薬は全都道府県で規制なし。Greenpeaceの全国調査で判明(Greenpeace)

2015-01-30 12:16:00

mitsubachiミツバ~1


mitsubachiミツバ~1国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは29日、全国47都道府県に対し、環境保全型農業の農産物を表すマーク等について行ったアンケート調査、および消費者への意識調査の結果を発表し(注1)、同時に一般消費者が農産物購入の参考にできるよう、都道府県別エコラベル一覧をウェブサイトに公開しました(注2)。

都道府県への調査の結果、ミツバチの大量死の一因と言われ、欧州連合(EU)では一部規制されているネオニコチノイド系農薬に関しては、各都道府県で認証する特別栽培農産物等で、同農薬を使わない規定をもうけている県は無かったものの、特別栽培認証以外では、ネオニコチノイド系農薬を含むいくつかの系統の農薬を使わないことを基本としたマーク(高知県、群馬県渋川市)が運用されていることが分かりました。

 

さらに、環境保全型農産物に農薬の空中散布を認めていない・またはなんらかの規制をもうけている県は5都府県(東京、大阪、神奈川、高知、岡山)でした。また、農薬の使用の有無が明示されているマークは13県(宮城、秋田、山形、福島、福井、島根、山口、愛媛、高知、佐賀、熊本、大分、鹿児島)で使われていました。

 

一方、インターネットでの意識調査の結果から、特別栽培の認知度や意識して購入する人の割合は11.3%と低く、「特別栽培イコール無農薬」との誤解もあり、実態と消費者の認識にはずれがあることが分かりました。 各都道府県への調査は2014年10月8日から28日まで行い、回答の遅れた県を含め12月1日までに、全都道府県から回答を得ました。インターネットでの消費者意識調査は、楽天リサーチ株式会社に委託し、2014年12月1日から3日までに実施しました(注1)。

 

グリーンピース・ジャパンで食と農業問題を担当している関根彩子は、「特別栽培にはネオニコチノイド系農薬が使われていないとする消費者への誤解も招いており、農薬空中散布も含め環境保全型農業の認証では認めるべきではありません。消費者は、無農薬や有機農産物を望んでおり、マークも生産者のインセンティブになるよう、明確な区分表示があり、わかりやすいことが重要です」と語った。

 

グリーンピース・ジャパンでは食と農業問題の一環として「bee my friend」キャンペーンを展開し、ネオニコチノイド系農薬の危険性を訴えながら、毒性の強い農薬の使用を減らし、有機農業への転換により、食の安全と持続可能な農業の促進を求めて活動を続けています。

 

注1)  都道府県アンケート調査・意識調査の報告書

 

注2) 「全国のエコラベル調べてみました」

 

※グリーンピースは同日、レポート「花と毒薬」の日本語版を発表。このレポートは、EU10カ国で販売されている観賞用植物で残留農薬の分析を行ったもので、86サンプルの内84サンプルから残留農薬が検出され、68サンプルからミツバチに有害な農薬が検出された。

 

レポート「花と毒薬」(日本語版 PDF) http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2015/pr20150129/