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国有林を木質燃料に使用する契約結ぶ 山形県最上町の協議会、全国初の試み(山形新聞)

2015-04-07 16:36:47

契約を締結し、記者会見する高橋重美町長(左)と多田弘之支署長=最上町中央公民館
契約を締結し、記者会見する高橋重美町長(左)と多田弘之支署長=最上町中央公民館
契約を締結し、記者会見する高橋重美町長(左)と多田弘之支署長=最上町中央公民館


山形森林管理署最上支署(多田弘之支署長)と最上町木質バイオマスエネルギー利用協議会(会長・高橋重美町長)は、町内の国有林151.21ヘクタールを木質バイオマス燃料用に活用できる「共用林野」として設定する契約を結んだ。

国有林を木質エネルギー源として活用するための共用林野設定は全国で初めて。木質バイオマスの普及に取り組む町にとって、原料の安定確保が期待できる。多田支署長と高橋町長が6日、町内で記者会見し、高橋町長は「全国のモデル事業にしたい」と述べた。

共用林野は、自家用のまきや炭、山菜、キノコの採取などを目的とした設定は可能だった。2012年6月、「国有林野の管理経営に関する法律」が改正されたことにより、エネルギー源として伐採することを目的とした設定も認められ、町や製材業者などでつくる同協議会が契約締結の第1号となった。締結は3月26日付。

契約期間はことし4月から5年間で、特段の理由がない限り5年ごとに更新される。今回は同町満沢の菅ノ沢国有林151.21ヘクタールが共用林野に設定され、同協議会は木質燃料用にナラなどの広葉樹立木を5年間で計約2500立方メートル皆伐できる。

協議会は町内のもがみ木質エネルギー、結城林業、丸徳ふるせの3社に事業を委託する計画。切り出された木は3社によって木質チップに加工され、町内の総合福祉施設のウエルネスプラザと、子育て施設のすこやかプラザで、冷暖房や給湯といった木質バイオマスエネルギー利用システム用の燃料として使われる。

最上町は森林資源が豊富で木質バイオマスの利活用を町づくり政策の柱の一つに据える。今回の締結は町に木質燃料が安定的に確保できるメリットがあり、同支署にとっても国有林の適正管理につなげる狙いがある。販売価格は今後、同支署が現地で樹種や材質を調査して決めるという。

記者会見した高橋町長と多田支署長が概要を説明。高橋町長は「最上町は町域の84%が山地で、そのうち8割ほどが国有林。国有林の活用なくして木質バイオマスの利用拡大はあり得ない。今後の町づくりに生かしたい」と話した。

http://yamagata-np.jp/news/201504/06/kj_2015040600147.php