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都市の拡大が環境面での一段の圧迫要因に(Reuters)

2012-03-29 12:51:54

空から見た北京中心部(2010年8月29日、中国北京)
【ロンドン27日ロイター時事】環境問題専門家らは27日、ロンドンでの「圧迫される地球」で講演し、都市の拡大は今後20年以内に大きな面積を奪う恐れがあり、これによって世界は環境面で一段の圧迫を受けることになるとの見方を明らかにした。都市は中国やインド、ブラジルなどが急速な経済成長を目指す中で、増大する世界の人口を収容するために成長を続けている。

空から見た北京中心部(2010年8月29日、中国北京)




 専門家らは、世界の都市は2030年までに、フランス、ドイツ、スペインの3国の面積を合わせたのに等しい150万平方キロメートルの土地を飲み込み、この結果、温室効果ガスの排出が増え、資源の需要も高まるだろうとしている。

 エール大学のカレン・セト准教授は「第2次世界大戦後の都市の発展は、社会的にも環境的にも持続不可能な形で進んできた。現在の都市拡大の環境面でのコストは大きすぎて継続不可能だ」と指摘した。

 国連は、現在70億の世界人口が50年までに90億人に達すると予想している。これは毎週100万人程度ずつ増えることを意味している。最も大きく増えると予想されているのが都市部で、農村部から都市部に10億人が移ってくる可能性があるという。この結果、都市部の人口は現在の35億人から50年には63億人に膨れ上がる見込みだ。

 現在でも二酸化炭素(CO2)排出量の70%強は都市から出ている。抑制措置が取られなければ、都市部からの排出量は30年には365億トンに上ると予想されている。1990年は150億トン、2010年は250億トンだった。

 都市化は止めることができないが、専門家らは都市の計画、開発、運営の方法の改善の余地は大きいとしている。スウェーデン王立科学アカデミーの地球圏・生物圏国際共同研究計画のシビル・セイツィンガー氏は「食料、水、製品、エネルギーなど外部から都市に運び込まれている全てのものの供給に持続性を持たせる必要がある。都市への資源の流れについて考え直さなければならない」と強調した。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2012032800394