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東電福島原発 汚染水貯蔵タンク内にゴムシート置き忘れ ALPSの汚染水処理停止の原因 相次ぐ人為ミス 場当たり対策の結果(各紙)

2013-09-29 22:04:34

fukushimatank2013092901001639
福島第1原発の汚染水処理設備「ALPS」タンク内部の排水口と見つかったゴム製のシート=29日(東京電力提供)
福島第1原発の汚染水処理設備「ALPS」タンク内部の排水口と見つかったゴム製のシート=29日(東京電力提供)


東京電力は29日、東電福島第1原発で試運転を再開した汚染水処理設備「多核種除去設備(ALPS)」が緊急停止した問題で、不具合があった付近のタンク内部からゴム製のシートを発見した、と発表した。試運転前に作業で使用したが、回収せず置き忘れたものとみられる。東電は、このシートがタンクの排水口をふさいだのがALPSの不具合を招いたと判断している。

 

東電によると、発見されたゴム製シートは、梯子用ゴムパッドで、タンク内部を上り下りする仮設のはしごを固定するために使ったもの。大きさは縦横20センチ、厚さ3ミリ。2枚がテープで固定されており、試運転前に回収することになっていた。ただ、作業員は使用後の回収は不要と思い、そのまま残したという。

 

発見されたシートのうち1枚がはがれて排水口をふさぎ、流量が低下したとみられる。東電は今後、ほかのタンクも水を抜き、異物がないかどうか調べる。

 

こうした人為ミスの発生は、指示系統の不徹底が原因とみられる。高価な機材を導入しても、高濃度の汚染環境で作業をする作業員に対して、的確な指示が発せられていない状況が明らかになったといえる。

ALPSは汚染水から62種類の放射性物質を取り除くことができ、汚染水対策の柱の一つになっている。3月から8月までの試運転では、誤操作やタンクの水漏れが見つかった。

http://www.tepco.co.jp/cc/press/2013/1230996_5117.html