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原発事故から2年半 「北海道の牛肉からセシウム」の衝撃(日刊ゲンダイ)

2013-10-01 21:43:08

北海道の牛たち(本文とは関係ありません)
北海道の牛たち(本文とは関係ありません)
北海道の牛たち(本文とは関係ありません)


口にするものをすべて疑うべきだ――。北海道の東部、標茶町で生産された牛肉から放射能が検出されていたことが明らかになった。


8月末に神奈川県衛生研究所の精密検査で分かったもので、2つのサンプルからそれぞれ1キロあたり56ベクレルと42ベクレルの放射性セシウムが検出されていたのだ。国の基準では100ベクレル以下の食品は安全とされるが、50ベクレル前後でも低くはない。


13年4~8月の全頭検査では、9万9701のサンプルのうち、1キロあたり50ベクレル超から100べクレル以下は4つだけ。それが今回は2つとも高い数値を出している。 福島原発から約700キロも離れた場所だ。影響は少ないはずなのに、いったい何が起きているのか。


NPO法人「食品と暮らしの安全基金」代表の小若順一氏がこう言う。 「汚染した稲わらなどを食べた11年当時の汚染牛が冷凍で残っていたのか、産地を偽装したのか。いずれにしても、国の検査より高い確率で高濃度の数値が出たわけですから、検査の有効性が問われます」


検査は暮らしの安全、安心の根幹だ。そこがズサンでは風評被害もなくならない。 「2つのサンプルがいずれも高濃度ということは、汚染牛は検査をすり抜けている恐れが高い。それなのにまだほとんどの食品で、検査は生産段階の1回で終わっています。これからは出荷前だけでなく、市場に出てからの検査も必要でしょう。そもそも、検査は使用する機械や時間のかけ方でバラつきが出ます。自治体によってもやり方が異なる。牛肉についても、根本的な原因がエサか水かなど究明を急がなければならない。風評被害を防ぐためにも、丹念で正確な検査が欠かせません」(「消費者問題研究所」の垣田達哉代表)


原発事故から2年半。いつになったら消費者は安心できるのか。