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福島県南相馬産コメ「ひとめぼれ」、セシウム基準値超えで今年初の出荷停止 120ベクレル だがそれ以外は基準値半分以上でもすべて出荷(FGW)

2013-10-08 23:18:11

全袋検査を終えて積み上げられる南相馬市の平成25年産米=26日、鹿島農業倉庫
全袋検査を終えて積み上げられる南相馬市の平成25年産米=26日、鹿島農業倉庫
全袋検査を終えて積み上げられる南相馬市の平成25年産米=26日、鹿島農業倉庫


福島県は8日、福島原発事故以降、コメの作付を停止していた同県南相馬市の作付再開準備地区で採れた25年産コメの放射能検査結果を発表した。それによると、44の検体(コメ袋)のうち2つから、食品基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える120ベクレルの放射性セシウムが検出された。基準値超えコメは出荷停止となる。ただ、同じ農家が生産したそれ以外のコメもすべて基準値の半分以上だったが、全量、出荷される。

 

今回、検査を実施した農家は、東京電力福島第1原発から20~30キロ圏にある。事故後、作付を停止していた。今回、作付再開準備区域として生産した。同区域では、予め「平成25年産コメに関する管理計画」を作成し、すべての稲の作付面積や米の生産量を確認し、さらに全量全袋検査を実施したうえで、出荷を判断することになっている。

作付面積は49アールで、コメの品種は「ひとめぼれ」。収穫量は3トン。今回の検査で今月3日に収穫したコメ52袋(1袋30キロ)のうち、2袋が120ベクレルを検出した。スクリーニング検査45品目のうち、2袋以外も、すべて基準値の半分(50ベクレル)以上を記録したが、福島県では100ベクレル以下は基準値以下なので出荷可能としている。ただ、中には、86ベクレル、78ベクレルなどと、基準値近似のレベルのものが少なくない。個人差があるが、コメの摂取量によっては、100ベクレル以上になる可能性はある。

原発事故から2年半しか立っていない段階で、農作業を再開し、基準値から1ベクレルでも、10ベクレルでも低ければ、一律出荷するという方針は、消費者の納得を得られるのか。消費者の疑心暗鬼からコメ離れを引き起こす懸念もある。作付再開を急ぐより、除染を徹底して、最低でもベクレル値が10ベクレル以下にまで低下するのを確認してから生産を再開するべきではないか。

その間の農家の生活保障は、原因者企業の東京電力が慰謝料を含めて、しっかりと面倒をみるべきである。現在、賠償金は事実上、国が一時負担する形となっており、東電が出し惜しみすることにはならないはずだ。

 

検査結果
検索区分検査実施数検査結果
スクリーニング検査52袋※ スクリーニングレベル超過44袋
ゲルマニウム半導体44検体基準値超過2検体
検出器での詳細検査放射性セシウム濃度:120Bq/kg 品種:ひとめぼれ
※ 10月3日に実施した当該農家1戸の検査実施数

当該農家の生産状況
作付面積 49a(ひとめぼれ) 収穫量約3t

http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/suiden_syousai_131008.pdf