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福島・飯館村 復興加速へ苦渋の決断 仮設焼却炉受け入れ (福島民友) 「事故の犠牲」「復興の犠牲」を受け入れ、一歩踏み出す勇気に頭が下がる

2013-10-11 01:06:21

仮設焼却炉の減容化事業の内容について文書を取り交わす菅野村長(左)と環境省の梶原部長
仮設焼却炉の減容化事業の内容について文書を取り交わす菅野村長(左)と環境省の梶原部長
仮設焼却炉の減容化事業の内容について文書を取り交わす菅野村長(左)と環境省の梶原部長


村内のごみや除染廃棄物のほか、周辺6市町の稲わらや下水汚泥の減容化も担う、仮設焼却炉の村内建設を受け入れた福島県飯舘村。苦渋の決断だけに村民の思いは複雑だが、周辺自治体からは復興の加速化に期待する声が上がる。菅野典雄村長は9日、福島市で環境省と仮設焼却炉設置に関する安全性確保の文書を取り交わし、「福島全体の復興につなげたい」と、受け入れを決断した思いを語った。
村によると、建設予定地の蕨平地区で昨年から数回開いた説明会では村民から反対意見も出たが「復興の加速化に向けて協力するべきだ」という考えで大筋合意を得たという。
環境省との文書取り交わしにも立ち会った愛沢文良村行政区長会長(72)は「(避難などで)お世話になっている自治体に恩返しができるという意味では良かった」と話す一方、環境省の梶原成元大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長には「一時仮置き期限は守ってほしい」と強い口調で要望した。
川俣町に避難する同村の伏見伸治さん(57)は「拒んでいたら何も進まない。福島で出たものは福島で処理しなくては」と理解を示した。
施設で廃棄物を受け入れるのは、村が仮設住宅や教育施設を置いている6市町。菅野村長は、受け入れの理由に村づくりの考えとして提唱しているお互いさまの気持ち“までいライフ”を挙げ、「われわれの受けた恩を少しでも返したいという思いがあった。中間貯蔵施設も双葉だけの問題ではなく、福島全体の問題。少しでも減容化を進めるべきだと思った」と語った。
一方で「他県では『人の住めない福島に廃棄物を置いておくべきだ』という声もある。関東圏の電力をつくってきた福島への厳しい意見の中で、今回の建設には複雑な思いもあった」と、苦しい胸の内も明かした。

 

http://www.minyu-net.com/news/news/1010/news11.html