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政府の「もんじゅ白紙」方針報道 本当か 報道後の政府関係者の発言 いずれもあいまい(FGW)都知事選挙狙いの情報操作か(?)

2014-02-07 17:32:51

sugakanbouchoukandata
sugakanbouchoukandata日本経済新聞が7日付け朝刊で、「もんじゅ『増殖炉』白紙 政府、エネ計画から削除」と報道し、にわかに核燃料サイクルの見直し路線が浮上した。だが、本日の政府関係者の発言をみると、同報道が政府の新エネルギー基本計画に沿ったものなのかはきわめてあいまいで、単なる観測記事なのか、それも東京都知事選挙で争点化している原発政策をぼかすための政治意図に利用された疑いも浮かんでいる。

同紙の報道は、「もんじゅの白紙化」と、もんじゅを使用済み核燃料を減量するための施設に衣替えする方針を示している。脱原発を主張する細川・小泉陣営の最大の論点は、原発廃棄物の最終処分場が国内に見出せない点にある。「もんじゅ見直し案」は、その点を高速増殖炉を放射性廃棄物処理設備に転用することで、廃棄物の大幅減量化ができ、最終処分場問題を”軽く”できるとの趣旨が示されている。

報道後、各紙も日系報道に追随した。しかし、同日の政府関係者の発言はきわめてあいまいだ。菅義偉官房長官は7日の閣議後の記者会見で新エネルギー計画に関して「方向性を決めたという事実はない」とする一方、もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の組織見直しの必要性に関しては「正直言ってある。いろいろな不祥事が多発する中で、文部科学省がしっかりと対応し始めている」と語った。

日経はこの発言を踏まえて、官房長官が「もんじゅの実用化に向けた目標や組織の見直しを示唆した」と書いているが、示唆したのは原子力研究開発機構の組織問題である。

 甘利明経済財政・再生相は、もんじゅに関して「エネルギーのリサイクル利用と廃棄物の絶対量を減らす2つの精神でスタートした」と指摘。「その時の考えと今後のエネルギー政策をどう擦り合わせるかで経済産業省を中心に結論が出ていく」と述べた、と報道している。この発言はこれまでのもんじゅの経緯を述べている。ただ、日経は「核のゴミの減量施設に転用する可能性にも含みを持たせた」と書いている。

 下村博文文部科学相はもんじゅの増殖炉としての機能継続に意欲を示す一方、「今までのもんじゅにおける現場の対応がお粗末で、国民から不信感を買っている。謙虚に対応していく」と語ったという。この発言も、組織問題を指摘しているに過ぎない。

新エネルギー基本計画の策定自体、政府の当初方針は1月中に閣議決定する方向だったが、都知事選挙で原発の最終処分問題が争点になることが明確になったことから、決定を先送りしている。今回の「もんじゅ報道」も、最終処分場問題に解決の糸口があるかのようなムードを作り出すことが目的だとすれば、原発推進派の舛添氏を利することになる。日経自体がそうした意図を持つとは思えないが、原発推進派の情報操作に踊らされた可能性もある。日経には、今後、もんじゅ白紙・停止のキャンペーンを張ってもらいたい。