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日立、電源不要の次世代原子炉向け冷却システム開発(日刊工業)

2014-03-26 17:01:09

日立が開発した原子炉空冷システムの試験装置
日立が開発した原子炉空冷システムの試験装置
日立が開発した原子炉空冷システムの試験装置


日立製作所は25日、次世代原子炉向け冷却システムを開発したと発表した。電源を使わず原子炉を長期間冷却できるのが特徴。空冷時に使う伝熱管を独自技術で表面加工し、除熱性能が従来の2倍以上になることを確認した。実際に採用されるのは早くても10年以上先になるという。

 

開発した冷却システムは東京電力福島第一原発と同じ炉型の沸騰水型軽水炉(BWR)用。福島第一原発は米ゼネラル・エレクトリックの技術を活用した水冷システムを採用している。ただ現在、国内にある大半の原子炉は電源を使ってポンプで冷却する手法。

 

 福島第一原発の事故を受け「バッグアップ技術として電源レスのニーズが高まる」(木藤和明日立製作所日立研究所NS2ユニットリーダー)見通し。現状の技術では冷却システムの性能が悪く、設備も大きくコストも高くなるという。


 

日立では実用化のカギとして空冷用熱交換器の小型化が不可欠と判断。伝熱管の表面に微細な凹凸を施し熱を一部分に密集。形成された高温の空気層を一気に外気で取り除く仕組みを確立し、要素技術で効果を確認したという。

 

 原子炉を停止する際、燃料内に残る核分裂成分が崩壊して発生する「崩壊熱」の除熱が長時間必要。今回のシステムでは崩壊初期の大きな熱が発生する場合は水冷と空冷を組み合わせ、その後は空冷だけに移行する。原子炉格納容器の上部を覆うような形で設置。実用化時に装置の高さは数―10メートル程度になるという。hitachinuke2キャプチャ


 

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0120140326bcad.html