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中国電力社長 運転開始から40年の島根原発一号機 「廃炉も選択肢」と発言 運転トラブルも相次ぐ(FGW)

2014-03-27 22:04:53

中国電力 苅田知英社長
 

中国電力 苅田知英社長
中国電力 苅田知英社長


中国電力の苅田知英社長は27日の記者会見で、29日に運転開始から40年となる島根原発1号機(松江市)に関し「廃炉にする選択肢もある」と述べた。同社はこれまで廃炉の可能性を否定していたが、この日の苅田社長は運転期間の延長に伴う経費などを検討し、再稼働の可否を判断する考えを示した。

焦点となる島根原発一号機は、今月24日に、原発から国へ定期的に送信しているデータが一時、正しく表示されない事故が起きたほか、27日には構内のガスタービン発電機を起動する電気盤付近に縦横50センチの焦げ跡が生じるなど、トラブルが相次いでいる。

原発廃炉の期間は、国際的にも40年後が標準的。延長する原発も少なくないが、苅田社長は昨年6月、期間延長を申請する考えを示し、廃炉の可能性を否定していた。

今回、苅田社長の発言が微妙に変わったのは、厳格化した原子力規制委員会の新規制基準を満たすためには、新たな事故対策などの設備投資や、人員の配置等が増えるなどコストアップになるほか、40年を過ぎた原発については、さらに維持コストが増すなどの問題がある。こうした経済的費用負担を考慮し、同社長は「40年を過ぎて運転するためにいろいろな設備対応をするには投資もかかる」と説明した。

1号機は1974年に営業運転を始めた。2010年には多数の機器の点検漏れが発覚し、運転を停止した。その後の、東京電力福島第一原発の事故で、非常電源確保、津波対策等の追加安全対策が求められており、さらに老朽化対策もかさむ。

同日発覚した原発構内の電気盤付近での焦げ跡は、同社社員が同日午後2時過ぎに焦げ跡を見つけた。しかし、消防に通報したのは、その約5時間後と、緊急時対応の課題を露呈した。松江消防本部は火災ではないと判断しているというが、同社が原因や起動への影響を調査している。
焦げ跡が見つかったガスタービン発電機は原発の全電源が停止した場合に備え、非常用代替電源の一つとして新たに設置したもの。原発は費用の増大だけでなく、管理面の煩雑によるリスクの増大も、電力会社にとって無視できない課題となっている。

参考情報:http://www.47news.jp/CN/201403/CN2014032701001743.html

http://financegreenwatch.org/jp/?p=42453