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京都地裁 東電福島原発から自主避難の男性への賠償仮払い命令 全国初の仮処分決定(各紙)

2014-05-26 14:24:28

原発から逃れた人々。この後、さらにバラバラに放浪する人も・・・
原発から逃れた人々。この後、さらにバラバラに放浪する人も・・・
原発から逃れた人々。この後、さらにバラバラに放浪する人も・・・


東京電力福島第1原発事故の影響で、福島県から京都市に自主避難した男性が、東電対してに損害賠償を求めて京都地裁に提訴していた仮処分の決定で、京都地裁(佐藤明裁判長)は月額40万円の賠償金の支払いを命じたことが26日、分かった。原発事故賠償に関して裁判所が避難者への仮払いを命じる仮処分決定を出すのは全国初。

 

決定は20日付。男性の代理人によると、男性は昨年5月、事故による避難が原因で精神疾患を患い働けなくなったなどとして東電に約1億3000万円の損害賠償を求めて提訴。「仮払いがないと生活が維持できない」などとし、昨年12月に仮払いを申し立てていた。

 

東電は自主避難者に対し、生活費の増加や精神的苦痛に対して賠償金を一定程度支払っており、男性の家族5人は計約300万円を受け取ったが、「賠償は底をつきかけている」としていた。

これに対して東電側は、国の原子力損害賠償紛争審査会の指針で、賠償対象となる損害項目の中に「就労不能」が挙げられていないとして、「(損害と事故との)因果関係はない」と反論し、対立していた。

 

仮処分決定で佐藤裁判長は、男性が原発事故後、精神疾患となって働けなくなったのは「事故と相当因果関係のある損害と一応認められる」と認定した。また、男性が経営者を辞めて役員報酬を受け取れなくなり、子育て中の妻も就労は難しいと判断して、東電の反論を退けた。そのうえで、「自主避難の損害と事故の因果関係は事案ごとに判断すべき」として、今年5月から1年間、月額40万円を支払うよう命じた。

 

仮払い期間は1年だが、男性の代理人は「裁判が長引くと生活が立ちいかず低い賠償金でも受け入れざるを得ない場合が多い。仮払いによってしっかりと訴訟を継続できるようになる。期間は1年でも意味は大きい」と評価している。