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東電福島第一原発 ストロンチウム等の汚染水 昨年夏の計測値を10倍に上方修正 過去最高濃度の930万ベクレルだった(FGW)

2014-06-22 13:58:08

汚染水観測井戸の一つ
汚染水観測井戸の一つ
汚染水観測井戸の一つ


東京電力は、福島第1原発の汚染水測定でストロンチウム90を含む放射性物質の全ベータ値をこれまで過小評価していたとし、昨年7月8日に護岸観測井戸から採取した地下水の全ベータ値を1lットル当たり930ベクレルと約10倍も大幅に上方修正した。東電の発表データの信憑性を改めてゆるがせる内容だ。

 

東電によると、同井戸(No.1-2)からの汚染水を昨年7月8日に汲み上げ、検証した際は89万ベクレルだった。それを再計測したところ、計算ミス等で10羽以上の超高濃度だったことがわかった。ほぼ1年前のデータだが、修正値はこれまでの最高濃度となる。

 

問題の井戸は2号機取水口の山側護岸にあり、汚染水を貯めていたトレンチ(電源ケーブルの通る地下道)に近い。東電は高濃度となった原因を「トレンチ内の滞留水の漏えいが考えられる」と説明している。fukushimaidoキャプチャ

 

また同井戸の他の採取日のデータも相次いで修正され、その後、2ヵ月を経過した9月16日でも120万ベクレルの高濃度を記録している。このほか、7月9日の採取データも710万ベクレルに改正されたほか、ろ過後には、濃縮が進んだため3900万ベクレルにまで上昇していた。

 

護岸観測井戸で超高濃度の放射性物質が検出されていながら、正確なデータの公表がほぼ1年遅れとなったのは、地下水の放出計画等を予定している段階では、正式な数値を出せないと判断していたのではないか、との見方も出ている。

 

福島原発関連の測定値については事故を起こした東電が、第三者チェックがないまま、引き続き自ら測定・公表している。こうした中で、大幅な測定値の改定がそっと行われる展開は、東電の公表値への信頼を改めて低下させるとともに、「フクシマ汚染」への不安をむしろ高める大きな要因になっていることを政府はしっかり認識すべきではないか。

 

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2014/images/2tb-east_14062002-j.pdf