HOME |大間原発訴訟第1回弁論 国・電源開発 争う姿勢 函館市は「福島事故で起きた影響拡大を無視」と批判(河北新報) |

大間原発訴訟第1回弁論 国・電源開発 争う姿勢 函館市は「福島事故で起きた影響拡大を無視」と批判(河北新報)

2014-07-04 11:20:52

建設途中の大間原発
建設途中の大間原発
建設途中の大間原発


青森県大間町で建設中の大間原発(改良型沸騰水型軽水炉、出力138万3000キロワット)をめぐり、北海道函館市が国と事業者の電源開発(Jパワー)に原子炉設置許可の無効確認や建設差し止めを求めた訴訟の第1回口頭弁論が3日、東京地裁であった。国とJパワーは「市に原告適格はない」として訴えの却下を求めた。
工藤寿樹函館市長は市と原発の位置関係を示すパネルを掲げて意見陳述し、「福島第1原発事故で広範囲に大きな影響が及んだのに市の意向に一切配慮せず、一方的に建設を再開した」と批判。「一企業の営利事業で発電の一手段にすぎない原発により、市の存立が危険にさらされている」と訴えた。

 
国の代理人も意見陳述し、「地方自治権に基づく市の請求は具体的な権利義務や法律関係の存否と無関係で、訴えは不適法だ」と反論した。Jパワーは答弁書で請求棄却も求めた。

 
市の請求は「原子炉設置許可の無効確認」「国の建設停止命令または市が同意するまでの建設停止命令」「Jパワーの建設と運転の差し止め」の三つ。福島事故前の旧安全審査指針による設置許可で、新規制基準も旧指針の不備が残り、新基準の審査に合格しても安全性は確保されないと主張している。

 
自治体が原告の原発差し止め訴訟は初めて。大間原発はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使う世界初の軽水炉で、運転開始時期は未定。