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不祥事続きの中部電力 今度は廃炉作業中の浜岡原発出入り口の放射線モニター機能せず。2年以上。意図的に停止か(各紙)

2014-07-25 15:39:55

静岡県御前崎市にある浜岡原発
静岡県御前崎市にある浜岡原発
静岡県御前崎市にある浜岡原発


裏金による政治献金問題や、発電計画に反対する住民情報を警察を通じて入手していたことなどが相次いで露呈した中部電力が、今度は、廃炉作業に入っている浜岡原発1,2号機の出入り口での監視用放射線モニターを設置しながら、実際には機能させていないことが明らかになった。

 

静岡県御前崎市にある中部電力浜岡原発の1,2号機は2009年に運転を終了、廃炉作業に入っている。原子炉の解体工事に伴い、中部電は2012年から原発敷地部分の出入り口に放射線漏れの安全度を確認するため放射線モニターを設置している。ところが、同モニターは実際には運用できない状態が続いていることが分かったという。

 

モニターの主要な役割は、廃炉作業で大量に出る放射性廃棄物が、一般廃棄物に混在して外部へ搬出されないように、トラック等が出入りする際に、放射線量を計測するためのもの。住民の健康への影響を懸念した静岡県が、中部電に設置を要請した。このため中部電は2012年2月に導入を発表し、同年中に出口側に、翌2013年には入り口側にも設置した。

 

しかし、実際に両モニターは本来の役割である放射線量の測定を行っていないという。運用できない理由について中部電は「周囲の放射線などにも反応してしまうため、廃棄物だけを正確に測定するのが難しかった」と説明しており、中部電が意図的にモニターの機能を停止させていたことを認めている。しかし、そうした事実についてはこれまで県にも、地元住民にも明らかにしていなかった。

 

廃炉作業の安全性を担保する責任能力が問われる形だ。米国などでは、原発の廃炉作業は入札等で他の事業者が請け負うケースも多い。そうした場合、事業者が事業経費を節約するために必要な作業を手抜きしたり、常設機能を停止させたりしないよう、監視体制が重視され、安全性の管理等についても、地域住民の納得のいく形で開示が担保されている。

 

日本の作業は当初の電力事業者が自ら廃炉作業も行うことで、作業手続きの妥当性のチェックが十分に行われない懸念が指摘されていたが、今回の中部電力の「手抜きモニター」事件は、まさしくそうした懸念が的中したことになる。「バレなければ隠す」「バレたら居直る」--こうしたことが日本の原発処理の実態では、恥ずかしい限りだ。

 

 

http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014072501000998.html