HOME |政府 福島県川内村の「避難指示解除準備区域」だけ避難指示解除へ 「正常化」演出優先 地域の整備不十分のまま 地域分断の不安 他の自治体にも広がる(各紙) |

政府 福島県川内村の「避難指示解除準備区域」だけ避難指示解除へ 「正常化」演出優先 地域の整備不十分のまま 地域分断の不安 他の自治体にも広がる(各紙)

2014-08-17 22:37:42

kawauchimurahead01
kawauchimurahead01各紙の報道によると、政府は17日、東京電力福島第1原発事故の影響で避難指示解除準備区域と居住制限区域が混在する福島県川内村のうち、放射線量が低い「準備区域」の避難指示を10月1日に先行解除することを決めた。「正常化」進展のアピールを最優先した姿勢で、地元では当惑と不安が広がっている。

 

放射能汚染地域の避難指示の解除は、今年の4月1日に先行解除された田村市都路地区に次ぐ2例目となる。準備区域は年間被ばく放射線量が20ミリシーベルト以下。ただ、川内村は準備区域と居住制限地域とが混在しており、役場機能や地域インフラなどの整備は進んでおらず、仕事をする場もない。帰村を希望する人は、高齢者に偏っており、コミュニティの再生とはほど遠い状況には変わりない。

 

しかし、17日に政府が開いた住民説明会で、原子力災害現地対策本部長を務める赤羽一嘉経済産業副大臣が「解除の要件は整っている」として一部地域の解除を提案した。これに対して住民からは、放射線への不安が根強いことから、反対の声が相次いだ。しかし、遠藤雄幸村長が「帰りたい人の気持ちを考えると、解除はやむを得ない」と、政府の方針を容認した。

 

川内村のように避難指示解除準備区域と居住制限区域が混在する自治体は、他に7市町村あるという。このため、こうした部分解除によって、かえってコミュニティの復興が混乱するのではとの不安が、他の自治体にも広がっている。

 

これらの混在自治体のうち、南相馬市、富岡町、飯舘村の3市町村は、準備区域との同時解除を目指している。 富岡町の避難指示解除準備区域からいわき市に避難している住職の山田秀行さん(63)によると、富岡町では居住制限区域内に商業施設や医療機関が集中していたため、「準備区域だけ解除しても、生活が成り立たない」として、川内村の区域再編が同町に影響することを懸念している。

 

居住制限区域内に村役場がある飯舘村も同様の立場だ。菅野典雄村長は「役場が戻らないまま、準備区域の住民だけを帰還させる。そんな投げやりな対応はできない」と、同時解除を目指す考えを強調した。

http://getnews.jp/archives/646154