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九州電力も玄海原発1号機の廃炉検討へ 稼働から38年。老朽化 低い発電効率。経産省の廃炉費用の電力料金転嫁策に便乗か(各紙)

2014-09-05 23:09:16

九州電力が廃炉の検討に入った玄海原発1号機(手前)=2013年6月、佐賀県玄海町
九州電力が廃炉の検討に入った玄海原発1号機(手前)=2013年6月、佐賀県玄海町
九州電力が廃炉の検討に入った玄海原発1号機(手前)=2013年6月、佐賀県玄海町


各紙の報道によると、九州電力は稼働から38年が経過している玄海原発1号機(佐賀県玄海町)の廃炉の検討に入ったことが5日、分かった。関西電力の美浜原発1,2号機の廃炉検討に次ぐ動き。

九電の玄海1号機は1975年に運転を始めた。出力は55万9000キロワットと、九電が保有する6基の原発の中で最も小さい。同じ玄海原発の中でも、再稼働を申請している3,4号機は各118万キロワットで、10日にも再稼働が決まるとみられている川内原発1,2号機は各89万キロワットある。

 

また、玄海1号機は燃えやすい電源ケーブルを使用している。再稼働を判断する新基準に適合するためには、同ケーブルを交換しなければならないが、そのための追加コスト負担や、将来の発電寿命等を考慮し、廃炉の可能性を探ることになったという。

 

九電の動きは、関電の美浜原発1、2号機(福井県美浜町)の廃炉検討に次ぐものだが、経済産業省が廃炉の場合の費用を電気料金に追加上乗せする方針を示していることから、両電力とも経産省の指導を受けて、発電効率の悪い旧式原発の廃炉を検討しているとみられる。

 

経産省の方針では、廃炉に伴い、本来、電力会社が負担すべき除却費用を電気料金に追加上乗せし、消費者に転嫁する考えという。現行の会計制度では、こうした途中での資産評価の変更は認められないが、経産省は日本公認会計士協会と協議していると報道されている。

 

小渕優子経済産業相は5日の記者会見で、「円滑な廃炉をすすめることと安全性が確認された原発の再稼働を進めることをあわせて推進したい」と述べた。経産省は電力各社に、年内に古い原発を廃炉する計画を提出するよう要請する方針だ。

 

小渕氏は「個別の原発の廃炉は事業者が判断することだが、円滑な廃炉にはお金や人の問題などさまざまな課題があるので、政府も事業者も取り組みを進める」と語った。


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