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薩摩川内市長、九電・川内原発の再稼働に 立地自治体として同意(各紙)

2014-10-28 23:04:31

記者会見で再稼働同意を表明する薩摩川内市の岩切秀雄市長(28日、市役所で)
記者会見で再稼働同意を表明する薩摩川内市の岩切秀雄市長(28日、市役所で)
記者会見で再稼働同意を表明する薩摩川内市の岩切秀雄市長(28日、市役所で)


九州電力の川内原発1,2号機の再稼働を巡って、立地地元の薩摩川内市の岩切秀雄市長は28日、市議会全員協議会で、両機の再稼働に同意する考えを表明した。

川内原発は同市内の久見崎町に立地する。原発の規制対策を定めた新規制基準の施行後、議会の判断を経て立地自治体の首長が再稼働に同意したのは全国で初めて。

 

薩摩川内市議会がまず、臨時本会議を開いて、川内原発再稼働に賛成する陳情を賛成多数で採択した。また反対陳情については反対多数で不採択とした。これを受けて、岩切市長は「原発の再稼働を進めるという国のエネルギー基本計画について、立地自治体として理解することと判断した。苦渋の決断だ」と再稼働同意の意向を表明した。

 

薩摩川内市の同意を受けて、伊藤祐一郎鹿児島県知事は同日、「薩摩川内市議会、市長及び県議会の意向を総合的に勘案して再稼働について判断したい」とのコメントを発表。10月9~20日に地元5市町で開いた住民説明会では「住民の理解はある程度進んだ」と判断した。29日には補足の説明会を開くが、議会の意思を受け再稼働に同意を表明するとみられる。

 

九州電力の瓜生道明社長も、「当社としては地域の皆さまが安心していただけるよう、原発の安全を第一に、今後もさらなる安全性・信頼性向上への取り組みを進める」とのコメントを出した。

地元同意を巡っては、原発立地の薩摩川内市だけでなく、近隣の、いちき串木野市や日置市など複数の周辺自治体から、立地自治体と同様の扱いを求める声が上がっている。また、同原発から30km圏にかかる広い範囲の住民らからは再稼働への不安や、手続きの不備についての疑問や反発も示されている。

 

伊藤知事は地元同意の範囲について、「県と薩摩川内市」と限定する姿勢だが、再稼働の後ろ盾となるべき、国は、小渕優子前経産相が辞任。その後を引き継いだ宮沢洋一経産相も、不適切な政治資金処理や東電株保有などが発覚、世間から集中砲火を浴びており、すんなりと川内原発が再稼働の道を歩めるかは、まだ定かではない。