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福島第一原発隣接港湾内の放射能汚染魚 汚染濃度が”急低下”、汚染水流出が止まった(?) あるいは高濃度汚染魚は外洋に逃げた(?)(FGW)

2014-11-21 00:13:58

汚染魚対策で港湾内に設置されたブロックフェンスの設置作業
fukushimakouwanfishキャプチャ東京電力は福島第一原発に隣接する港湾内で捕獲した最新の魚類の放射性物質濃度を公表した。これまでセシウム濃度が万単位のベクレル値を計測してきたが、今回は最高値が440ベクレルのマコガレイで、二けたも濃度が”改善”した形だ。

 

東電の公表データによると、10月22日に捕獲したマコガレイは、食品基準(1kg当たり100ベクレル)を4倍強上回る440ベクレルだったほか、ホシガレイが185ベクレル。公表された8件のうち、基準超過はこの2件だけ。他は100ベクレル以下だった。

汚染魚対策で港湾内に設置されたブロックフェンスの設置作業
汚染魚対策で港湾内に設置されたブロックフェンスの設置作業


 

9月18日に公表した前回の調査では、最高値は8月に捕獲したムラソイの3万2500ベクレルで、そのほかアイナメ1万9000ベクレル、マアナゴ1270ベクレル、アイナメ1250ベクレルなどと、高濃度のセシウムが相次いで検出された。2か月間で、一気に魚の汚染”体質”が改善された形だ。だが、汚染水の海洋流出を止める凍土壁工事は一向に進んでおらず、今回の”改善”に対して、疑問の目が向けられている。

 

一つの疑念は、港湾内の海底に溜まった汚染物質を封じ込めるための海底被覆工事を進めており、そのため再三にわたって港湾と外洋を遮断するシルトフェンスが作業船の出入りのために開放されてきたことである。シルトフェンスの開放は時間を区切って行っているとされているが、魚は海中を自由に泳ぐので、簡単に外洋に流出できる。つまり高濃度汚染魚が大挙して海洋流出した可能性がある。

 

もう一つは、今回公開されたデータは、マコガレイ、ホシガレイのほか、シロザケなど、これまでもあまり放射性物質が内部蓄積していない魚類が中心。従来、高濃度汚染が目立ったムラソイやアイナメなどは対象魚類の中に入っていない。つまり、セシウム濃度の低い魚類を恣意的に選んで公表したのではないか、という疑念も出ている。

 

 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2014/images/fish01_141118-j.pdf