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チェルノブイリ事故の専門家 福島事故の健康影響を低く見積もった国連科学委報告書を「信頼性低い」と批判(各紙) こちらもデータの信ぴょう性に疑義

2014-11-21 00:32:54

ベイバーストック氏
ベイバーストック氏
ベイバーストック氏


各紙の報道によると、世界保健機関(WHO)の元スタッフで東フィンランド大のキース・ベイバーストック博士は20日、東京電力福島第一原発事故の健康影響を評価した4月の国連科学委員会の報告書は「信頼性は非常に低い」と批判した。

ベイバーストック氏は同日、日本外国特派員協会で記者会見し、見解を明らかにした。同氏は、チェルノブイリ原発事故後の1991年から2003年まで、WHOで放射線防護プログラムを指揮した経験を持つ原子力健康影響の専門家。

 

国連科学委員会の報告書は、今年4月2日、公表された。「2011年東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレベルとその影響」と題した報告書は、福島原発事故の結果として生じた放射線被ばくにより、今後がんや遺伝性疾患の発生率に識別できるような変化はなく、出生時異常の増加もない、と予測している。

 

その一方で、最も高い被ばく線量を受けた小児集団では、甲状腺がんのリスクが増加する可能性が理論的にあり得るとして、追跡調査の必要性を指摘した。ただ、甲状腺がんは低年齢の小児には稀な疾病であり、通常そのリスクは非常に低い、と影響を低く見積もっている姿勢を示していた。

 

ベイバーストック氏はこうした報告書の指摘について、公表の時期が遅い上、不確かなデータで被ばく推計値を算出したにすぎず「国際機関としての責務を果たさず、内容は科学的でない」と述べ、手法に問題があるとの考えを示した。

 

また、福島医大の最近の発表によると、事故当時18歳以下の約37万人を対象にした県の甲状腺検査では、これまでに甲状腺がんと確定した子どもが57人に上っている。

 

 

 http://www.unic.or.jp/news_press/info/7775/

http://www.47news.jp/CN/201411/CN2014112001001775.html