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東電福島第一原発トレンチ内の汚染水抜き取り断念 セメントで埋め戻し封鎖へ。工法の効果に疑問も(各紙) 

2014-11-22 11:32:29

福島第一原子力発電所2、3号機海水配管トレンチ建屋接続部止水工事の様子
福島第一原子力発電所2、3号機海水配管トレンチ建屋接続部止水工事の様子
福島第一原子力発電所2、3号機海水配管トレンチ建屋接続部止水工事の様子


各紙の報道によると、東京電力は福島第一原発2号機の海側のトレンチ(電源ケーブルなどが通る地下トンネル)にたまっている高濃度放射性汚染水対策で、これまで進めて来た止水剤による対応を断念、汚染水がたまった状態のまま特殊なセメントを流し込んでトレンチをふさぐ方法に切り替えることを、原子力規制委員会に報告した。

 

法億を受けた規制委員会の検討会は、汚染粋が残らないような封鎖措置を東電側に求めて了承した。

 

問題の汚染水はトレンチ内に約5000トンが溜まった状態である。東電はこれまで建屋とトレンチの接続部を凍らせて止水し、汚染水を抜き取る計画で作業を進めていた。しかし、接続部を完全に凍らせることができず、その後、止水剤の投入も試みてきたが明瞭な効果がみられていなかった。

新たなセメント剤の投入は、11月末から始める。まず、トレンチ内の水をポンプで少しずつ抜きながら、水中でも使える特殊なセメント剤を注入する。約1ヶ月かけて、最も深いトンネル部分を中心にセメントで埋め、汚染水の流入を封じ込める計画だ。

ただ、この工法の問題点は、注入するセメントに汚染水が混ざる懸念があるほか、トレンチ内の汚染水を完全に取り除くことは難しい。またセメントで約60mにわたるトレンチを隙間なく埋めきることができるかも不明だ。

 

また3号機の海側トレンチにも約6000トンの汚染水がたまっておいる。東電は2号機での作業の進捗度合いをみながら、3号機のトレンチについても同様にセメントで埋める作業を行う予定という。これらのトレンチ内の汚染水を封じ込めたうえで、1〜4号機全体を「凍土遮水壁」で囲って、建屋に流れ込む地下水をシャットアウトする計画だが、土中の凍土化は成功しないままだ。