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東電福島第一原発 ALPSの処理水6トンが漏えい。手順の作業ミスが原因。現場任せの東電体質を映す(FGW)

2014-12-18 21:01:26

ALPSleakingキャプチャ
ALPSleakingキャプチャ東京電力は福島第一原発で汚染粋処理をしている多核種除去設備(ALPS)の処理水を移送中に誤って漏えいしたと発表した。漏えいしたのは約6トン分の汚染水。人的な作業ミスが原因と判明。

 

東電の発表によると、汚染水の漏えいは17日午後3時ころに起きた。ALPSから新たに設置されたJ6-A1タンクに汚染粋を移送する作業中に、配管から処理水が漏れているのを、社員が発見した。配管を停止するとともに、ALPSからの移送を停止、漏れた周辺土壌の回収作業などを実施した。

漏えい量は約6トンで、水漏れ箇所は約25m×約2mの範囲。漏えいした付近の線量は2~8μシーベルト。漏れた処理水の放射性物質濃度は発表されていないが、直前のALPSのA系統の処理水で全ベータ値が898.9ベクレル(1㍑当たり)、C系統で122.4ベクレル(同)だった。

東電は汚染されたエリアの土壌を全体で約5.7トン分回収した。続配管の弁を閉じて、漏えいは停止。また、漏えい箇所近傍には排水溝はないため、海への漏えいはなかった、としている。
今回の汚染処理水漏えい事故はた、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法令」に定められた原発施設の故障、その他の不測の事態に相当する法令報告対象事故として、規制委員会に報告された。

 

事故原因は、処理水をタンクに移送するための手順書を間違って作成したためという初歩的な作業ミスであることが判明した。施工図面に明記された配管の接続状況を間違って手順書に記入し、その後のチェックもなかったという。手順書作成後、現場での実際の配管の確認作業も怠っていた。

 

まさに、東電福島原発内で”常態化”している人為ミスによって引き起こされたわけだ。何よりも問題は基本的な手順書を作成後、第三者によるチェックがまったくなされず、現場任せとなっている東電の管理体制だが、規制委も、政府も、「我関せず」の立場をとっている。小さな人為ミスが、大きな災害を再び引き起こすきっかけにならなければいいが。

 

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2014/images/handouts_141218_06-j.pdf