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東電福島第一原発 高線量がれき保管テントの屋根に大穴。「強風の影響」というが、テント素材の”劣化も明白に(FGW)

2015-02-17 00:33:01

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fukushimatentMainichi_20150217k0000m040062000c_1東京電力は16日、福島第一原発の構内北側にある高線量がれきの一時保管エリアのテントの屋根の一部が破損した、と公表した。

東電によると、テントは保管設備が完成するまでの一時保管場所で、幅33m、長さ51m、高さ11~16mという体育館サイズのもの。16日午前11時15分ごろ、東電社員がテントの屋根が穴が開いたように破れているのを発見した。

穴の大きさは幅3.6m、長さ15mにわたる大きさ。福島原発一帯は、前日の15日午後6時ごろの風速が地上10m地点で秒速20.2mの強風だった。テントはポリエチレン系の素材で、秒速30mの強風が吹き続けても、1年間は耐えられる強度がある、と説明されてきた。

しかし、20mの風で穴が開いたことから、テントの設置が2011年9月で、設置後約3年半が経過して、テントの劣化が進んだことが原因とみられる。ただ、周辺モニタリングポスト等での放射線量は特段大きな変化は計測されていないことから、東電は、テントの破損による放射性物質の飛散はないとしている。

ただ、東電の推測のようにテント素材のポリエチレンの劣化ということだと、他の保管用テントも脆弱になっている可能性がある。東電福島事故サイトでは、汚染水を貯蔵しているタンクも劣化が進んでおり、事故から4年目を迎えようとしている段階で、初期動作時点の対応設備が劣化・交換の時期にきていることを示している。

一時保管エリア内のテントに保管されている高線量がれき量は約140㎥。放射線量は毎時30mmシーベルト未満。がれきのうち120㎥分は金属製のコンテナに収められているが、残りの20㎥分は土のうで覆われているだけという。いわば放置状態である。東電は今後、がれきが飛散しないようにシートで保護したり、水をまいたりするなどの飛散防止策を検討する、と説明しているが、破損事故が起きなければ、放置のままで過ごすことになっていたと思われる。

事故から4年近くたって、東電の現場管理体制が、異常時代が”日常化”している懸念がある。