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福島県内の除染廃棄物、中間貯蔵用地に搬入開始。用地確保進まないまま作業だけ先行(各紙)

2015-03-14 17:48:29

始まった廃棄物の搬入作業
始まった廃棄物の搬入作業
始まった廃棄物の搬入作業


環境省は13日、東京電力福島第一原発事故によって福島県内で発生した除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設(大熊・双葉町)への廃棄物搬を始めた。

同施設は、県内の農地、住宅等の除染によって発生した汚染土壌を、除染現場など県内の約8万8000か所に一時保管された廃棄物を集約するために設置された。環境省は、今後1年間は、廃棄物保管の安全面での対策などの整備するパイロット(試験)輸送と位置付けている。

施設は福島第一原発の敷地を囲むように、双葉町と大熊町にまたがる約16㎢の敷地に建設する。除染計画を策定している県内43市町村にある約600万袋(フレコンバック一袋=車一台分の重さ)を中間貯蔵施設に搬送する予定。貯蔵する廃棄物袋は最終的に2200万袋分を保管できるものにするという。しかし、現時点で国が整備した保管スペースはわずか3ヘクタールで、2万袋しか置けないという。

用地確保が進まないのは、国の用地買い取り額が事故前の水準の半額程度などと低いことから、2400人の地権者の反発が大きいことが影響している。住民にすれば、東電げ発事故で故郷を追われ、住み慣れた用地を半額で買いたたかれるわけだから、反発するのも無理はない。

総事業費約1兆1000億円の事業だが、用地確保が十分でないと除染作業自体も遅れるほか、仮置き場での二次汚染の懸念も深まる。また中間貯蔵に際して廃棄物量を減らすため焼却処理も予定しているが、焼却による大気中への放射性物質の拡散のリスクも抱えている。

何よりも、国は30年後には、福島県外で最終処分場を見つけ、運び出しを終える義務を負っているが、どこで最終処分をするのか場所は全く決まっていない。本当に福島以外に再搬出できるのかは全く不透明。「カラ約束」ばかりになりそうな国の姿勢に、住民の不安と不満は高まるばかりだ。

この日の搬入作業では10トントラック2台が、南平仮置き場から中間貯蔵施設内の一時保管場に、それぞれ1回ずつ廃棄物を運び込んだ。試験輸送では、双葉郡と田村市の9市町村からの搬送を先行して実施する予定だが、今のところ、大熊、双葉両町以外の日程はめどが立っていない。

http://www.minpo.jp/news/detail/2015031421531