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東電福島第一原発1号機原子炉の核燃料 格納容器に抜け落ちの可能性濃厚。廃炉作業、極めて困難に(NHK) チャイナシンドロームが現実化へ

2015-03-19 23:40:57

密度の高い物質があるところで多くのミュオンが吸収されるため、黒くなる。
原子炉内の黒い部分は炉心位置(燃料は健全と仮定)
密度の高い物質があるところで多くのミュオンが吸収されるため、黒くなる。 原子炉内の黒い部分は炉心位置(燃料は健全と仮定)
密度の高い物質があるところで多くのミュオンが吸収されるため、黒くなる。
原子炉内の黒い部分は炉心位置(燃料は健全と仮定)


東京電力は19日、福島第一原発の原子炉内部を、「ミューオン」と呼ばれる素粒子をとらえる特殊な装置でレントゲン写真のように透過して調査した結果、1号機では原子炉内に、核燃料がほとんど見あたらないことが分かった。

 

このことは、原子炉内のほとんどの核燃料が原子炉の底を突き抜け、格納容器に溶け落ち、さらにその下まで浸透する、いわゆるチャイナ・シンドローム現象を起こしている可能性が濃厚になったといえる。核燃料が原子炉外に流出したとすると、廃炉作業は極めて困難になることが予想される。最悪の場合、旧ソ連のチェルノブイリ原発と同様の石棺化で現場封じ込め処理をせざるを得ない可能性もある。

 

今回の調査は、資源エネルギー庁の事業として高エネルギー加速器研究機構などのグループが、2月12日から実施していた。ミューオンは、さまざまな物質を通り抜ける性質がある特殊な装置。26日分の蓄積データを分析した結果、1号機については、元々燃料が配置されていた炉心位置に、1mを超えるような大きな燃料の塊は確認できなかった。

 

このことは、多くの燃料デブリが、事故の際に溶けて、原子炉から漏れ、格納容器の下方へ移動したことを示唆する、と判断している。核燃料デブリが格納容器でとどまっているかどうかは不明。東電では、原子炉下方の燃料デブリの分布状況を確認するため、ロボットを投入し、格納容器下部調査を実施していく、としている。しかし、核燃料が原子炉から漏れていると、回収は非常に難しい。

 

1号機はこれまでも、コンピューターによるシミュレーションで、ほとんどの核燃料が原子炉の底を突き抜け、その外側にある格納容器に溶け落ちている可能性が高いと見られていた。今回の検査でそれが立証されたことになる。また1号機の状況がわかったが、水素爆発を起こした他の2,3号機についても、同様の事態に陥っている可能性もある。

 

 

 

http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6053332341.html?t=1426774205049