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東電福島第一原発、1号機に続いて、2号機も炉心溶融が確実。廃炉困難に。チェルノブイリ型「石棺化」の現実味高まる(FGW)

2015-03-20 23:27:00

青色が多いほど、内部の物質が少ない
青色が多いほど、内部の物質が少ない
青色が多いほど、内部の物質が少ない


名古屋大は20日、東芝と共同で、東京電力福島第一原発2号機の内部を、宇宙線「ミュー粒子(ミューオン)」を使って原子核乾板で測定する手法により、調べた結果、1号機と同様に、原子炉内の核燃料が少なく、炉心溶融していることが裏付けられた、と発表した。

ミュー粒子は1kmの距離の岩盤でも透過できる素粒子で、大気の上層部で生成され、常に地上に降り注いでいる。今回の測定方法は、原子炉を透過したミュー粒子の飛来方向を原子核乾板でとらえて、X線のように内部の様子を把握できるにした。原子核乾板は電荷をもつ素粒子を映すことのできる特殊な写真フィルム。

 

名古屋大らは、この仕組みを使って事故を起こした2号機と、健全な核燃料が今も原子炉内に存在する5号機を比較検討した。測定期間は2014年4~7月の間の計5回。その結果、2号機の燃料は正常な5号機に比べて、炉内の燃料が少ないことが明らかになった。fukushimamyu-ron2キャプチャ

 

すでに1号機の原子炉内でも核燃料の存在が確認されず、格納容器に漏れ出していることが確実になっている。1号機に続いて2号機も燃料が漏洩し、炉心溶融が起きていることが確実となったことで、福島第一原発の廃炉作業が極めて困難な課題であることが明らかになった。

 

福島原発では汚染水問題が続く一方で、大気中や周辺海洋などでの放射性物質の濃度は低下基調にある。このため政府や福島県などは、事故処理が「正常化」に向かっていることを強調しているが、原発自体の解体・処理は現段階では全く見通せない状態であることに変わりはない。3号機も含めて、炉心溶融が確実だと、手が付けられず、チェルノブイリ型の「石棺」化が現実味を帯びてくる。

 

http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20150320_esi.pdf