清水建設、福島県の森林除染に新システム。汚染腐葉土層を高圧エアで吸引回収、森林への負荷を最小化(FGW)
2015-03-25 11:49:26
森林除染は、森に積もった腐葉土層を、住宅除染のように引き剥がして削り取ると、森の植生の値まで断ち切ったり、土壌の流出を招いて森林を公判させるなどの問題がある。除染は、元の状態に戻すことが目的だが、森林除染によって森林が荒廃すると、除染の意味をなさなくなる。
高圧エアによる腐葉土層の解きほぐし作業
そこで同社で開発した新システムは、風速200-300m/秒の空気を噴出す高圧エアで腐葉土層をほぐし、ほぐされた土壌を吸引・回収装置によって選別し、回収する。回収した土壌を空気と分離して、汚染土壌だけを大型土のう袋に詰め込んで分別する。吸引・回収装置は家庭用掃除機の回転ブラシ付き吸引ヘッドのようなもの。
同社ではこのシステムを使うことで、必要最小限の土壌の除去量で、セシウムを取り除くことが出来ることから、森林の生態系に与える影響も最小化できるとしている。
東電福島第一原発事故で拡散した放射性物質の除去のうち、森林の汚染については、ほとんど手つかずの状態が続いている。森林全体の除染は費用面、作業面から困難とされ、現在は、住宅家屋から20m、道路沿いの路肩から20m以内の森林除染に取り組んでいる。
同社が2013年6月kら14年11月松にかけて、広野町で実施した同システムを使った除染工事では、空き地や墓地等の除染に加えて、森林除染を138ha, 森林再除染を68ha実施し、効果が得られたという。
http://www.shimz.co.jp/news_release/2015/2014055.html