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福島県内での”線量異常高濃度”騒動、異常値表示の新装置は本当に不具合なのか?古い装置の表示のほうがおかしくないのか?(FGW)

2015-04-09 18:47:02

蒸気が舞っている、とされる3号機の周辺
蒸気が舞っている、とされる3号機の周辺
蒸気が舞っている、とされる3号機の周辺


福島県内で、放射線監視装置(モニタリングポスト)の数値が異常に高い値を示すなどの現象がここ数日起きたことで、不安が県内外に広がっている。

 

7日に南相馬市よつば公園で、1時間当たり9.834マイクロシーベルトと、通常の値(0.133マイクロシーベルト)を大幅に上回る値を検出した。その他の地域のモニタリングポストでも、大幅な数値が示され、核燃料が原子炉から漏出していることがほぼ確実な各原子炉が「再臨界しているのでは」「3号機が爆発的に蒸気を噴出している」などの情報がネットで流れた。

福島県は高い数値を示したままになっている南相馬市原町区の装置などを調査。いずれも3月末に新たに設置し、4月1日から試験運用している装置であるとして、プログラムミスなどを指摘、委託業者がプログラムを修正するなどして不具合を解消するとしている。

県は来週中にも高い線量を表示している77台全ての点検を終えたい考え。福島県放射線監視室の小田島正副課長は「機器の異常の可能性を明示しなかったため、間違った情報を独り歩きさせた恐れがある。反省すべき点がある」と語った、と報道されている。

 

しかし、疑問が残る。事故後4年を経過する古い装置の表示が「正しく」て、新規設置の装置が大量に「間違った」のだろうか。あるいは、古い装置は経年劣化して、反応が低下しているのではないか?そうした疑問への答えは示されていない。通常であれば、新品のほうが正確なはずだ。だが、福島のモニタリングポストについては、なぜか「いつもどおりの線量」を示すほうが正確と扱われることに不思議だとの声は出ていないのだろうか。

 

また、プログラム修正でモニタリングの数値表示が変更されることも、今回の”騒動”で明らかになった。各地に設置されている装置が本当に正確に、放射線量を測定しているのか、あるいはプログラム修正によって、数値表示が意図的に操作されている可能性がないとはいえないのでは、との疑念も浮かぶ。

 

政府、県がこれまでとってきた秘密主義と、ことさら「正常化」を演出する手法が、いつまでたっても「フクシマ」への懸念が消えない源泉であることが改めて浮き彫りになった。