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福島県内の放射線監視装置の「異常値」問題で 福島県が業者に77台撤去指示。規制委とも「空白のやりとり」。不自然さ残す(福島民友)

2015-04-23 11:03:28

今月8日に報道公開された緊急点検。設置業者は「落札から納入までの期間が短く、プログラム修正作業が十分にとれなかった」と話していた=南相馬市原町区
今月8日に報道公開された緊急点検。設置業者は「落札から納入までの期間が短く、プログラム修正作業が十分にとれなかった」と話していた=南相馬市原町区
今月8日に報道公開された緊急点検。設置業者は「落札から納入までの期間が短く、プログラム修正作業が十分にとれなかった」と話していた=南相馬市原町区


福島県が3月に設置した放射線監視装置(モニタリングポスト)の数値が大幅に上昇した問題で、県は22日、8市町村に取り付けた77台のうち、4割超の33台で依然として不具合が続き今後も改善が見込めないとして、装置を納入した業者との契約を解除した。

 

測定値は原子力規制委員会のホームページで公表していたが、規制委は県からの要請を受け、公表を中止した。県は22日、77台の監視装置を速やかに撤去するよう業者に指示した。

 
高額の物品発注に関して県側からの契約解除は、記録のある1987(昭和62)年以降初めて。納入した業者は福島電子計算センター(福島市)で昨年12月、3社による一般競争入札の結果、5222万円で落札、今年1月に県と契約した。

 

県によると業者側は「県の対応にも問題があり、解除は一方的だ」と反発しており、今後の対応は不透明だ。

http://www.minyu-net.com/news/news/0423/news1.html

 

福島県が3月に設置した放射線監視装置(モニタリングポスト)が異常値を示した問題で、測定値をホームページで公表する原子力規制委員会側からメールで「データを送信していない装置がある」と不具合の連絡を受けていたのに、県が対応せずに放置していたことが22日、県への取材で分かった。

 

県の担当者が上司に報告せず、組織内で情報を共有していなかった。この問題では県民から通報を受けながら、原因調査や公表が遅れる不手際が発覚しており、県のずさんな対応があらためて露呈した。

 
県によると、今月1日の運用開始を前に、監視装置から規制委へのデータの送信テストを行った。規制委事務局で原子力規制庁の担当者が3月30日、設置した77台中13台の測定データが受信できないと指摘したが、メールを受けた県の担当者は放置していた。県の担当者は「業者が対応して改善されると思った。年度末でメールのやりとりが頻繁にあり、内容を十分に把握していなかった」と説明しているという。

 
装置を納入した業者とのやりとりでも、県の対応に問題があったことが判明した。県は、装置から規制委にデータを送るための手続きに関し業者に協力しなかった。業者は「県が動いてくれなかった」と主張しているといい、データの送信テストの開始が遅れた。
また、装置を動かす前後には、テスト結果と装置の性能などを報告する書類が必要だったが、問題発覚後まで業者に提出を促さなかった。

 
樵(きこり)隆男危機管理部長らは22日、県庁で記者会見し、装置の納入業者との契約解除を発表し、県の対応に不手際があったことを明らかにした。樵部長は「県民や規制委のホームページを通じて数値に不安を持たれた方々に、非常に迷惑を掛けた。おわび申し上げる」と陳謝。今月発足した同部の設置前とはいえ、「組織として不適切な対応だった」と不備を認めた。

http://www.minyu-net.com/news/news/0423/news11.html