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福島第一原発2号機 「ベント」操作機能しなかった可能性濃厚に。原発の危機時の安全対策に疑念深まる(各紙)

2015-05-20 13:15:32

ドローンが撮影した事故直後の2号機(2011年3月20日)
ドローンが撮影した事故直後の2号機(2011年3月20日)
ドローンが撮影した事故直後の2号機(2011年3月20日)


東京電力福島第一原子力発電所事故のうち、放射性物質の大量放出を起こした2号機で、格納容器内部の圧力を下げるために試みられた「ベント」作業が実際にはできていなかった可能性が高いことがわかった。

 

2号機は、2011年3月11日に原発全体が機能不全状態となった4日後の15日早朝、格納容器の下部にある圧力抑制室が破損して大量の放射性物質が放出され、作業員の大半が一時退避する事態となった。その直前、内部の圧力が限界に達していた格納容器の破損を防ごうと、「ベント」操作に踏み切り、水蒸気や放射性物質を格納容器の外に放出しようとしたが、実際には圧力は下がらなかった。
東電はこの時の原因を調べるため、ベントによって水蒸気や放射性物質が通るはずの装置の周辺の汚染を調べたところ、装置の前後の配管からは特に高いレベルの放射線量は検出されなかったという。つまり、実際にはベントができていなかった可能性が高まったといえる。

 

ベントができなかったことから、格納容器が破損し、大量の放射性物質が放出さら、さ首都圏や周辺部にも汚染が拡大したとみられる。東電はベントができなかった原因をさらに調べるとしているが、緊急時にベントが機能しなかったということは、原発の安全性への疑念をさらに深めることにもつながる。