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東電福島第一原発 耐圧ホースからの汚染水漏えい・海洋流出の原因は、許容値以上に曲げて使用し続けた結果。東電の点検ゼロ(FGW)

2015-06-08 21:25:19

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東京電力福島第一原発で3号機タービン建屋へ移送中の放射能汚染水がホースの欠損部分から漏えいし、港湾内に漏れ出た問題で、東電は8日、移送に使ったホースが許容値を超えて曲がっていたと発表した。不適切な使用によりホースが損傷し、汚染水が漏えいした可能性がある。東電の管理能力のお粗末さが改めて浮き出た。

 

問題が起きたのは5月29日に、第一原発内の2号機と3号機建屋に向かう道路わきの側溝に敷設されているポリ塩化ビニル製の耐圧ホースの一部が欠損し、汚染粋が漏えいし、港湾内にも流出した。

 

 その結果、港湾内の海水放射能濃度は、1-4号機取水口北側付近で、事故前の5月27日の全ベータ値で1㍑当たり約81ベクレルだったのが、事故後の29日には約320ベクレルへと4倍の増加を記録した。漏えい汚染水量は7-15トンとみられる。放射能濃度は、翌30日には、K排水路排水口付近で、通常の変動範囲内(約200ベクレル以下)にまで低下した。

fukushimahorseキャプチャ

 

 欠損したホースを調べたところ、長さ約1cm×幅約0.2cmの楕円形の亀裂が一箇所あった。ホースは曲げて使う際の許容値が半径約750mm以上となっているが、漏えい後に現場で確認されたときの半径は200-300mmで、許容値を満たしていなかった。


 ホース2013年10月に敷設されたが、定期的な点検も行われていなかった。ということは、許容値を超える屈曲状態を1年半以上、続けていたことになる。長期間にわたって許容値を超える状態でホースを固定し、その管理も怠っていたことから、ホースが破損したことが明らかとなった。

 

 東電では再発防止策として、問題のホースを速やかにポリエチレン製配管に取り替える作業を行うとしている。この取替え工事が終わるまで、排水路経由の汚染水の移送は行わないとしている。また原発建屋の屋外で使用している放射性物質移送のためのすべての耐圧ホースについて、耐久性や欠損がないかとうかの総点検を行うとしている。

http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu15_j/images/150608j0101.pdf