原発はやはり国有化で。廃炉作業員のモチベーション向上を。ウクライナに学べ(松田公太ブログ)
2015-06-13 20:29:31
(その詳細は2014年6月10日のブログをご覧ください)
先日も委員会でこの法案を取り上げさせて頂きました。今回、特に強調したかったのが、原発で働いている社員や作業員のこと。
昨日も工程表の見直しが発表され、既に福島第一原発1~3号機の燃料棒取り出しの開始時期が2、3年延長されるとの発表がありましたが、廃炉は、事故後40年、50年、もしくはそれ以上かかることが十分想定されます。この大変な作業を成功させるためには、働く人のモチベーションを上げることが重要です。
しかしながら、現場の社員や作業員の方々は、若手人材の流出、労働負荷の高まりに伴う心身の疲れ、健康被害への心配等々で、未来への希望を持てない状況になっています。
現在、ウクライナでは、100年後のチェルノブイリ原発廃炉を目指していますが、こちらは国のプロジェクトとして、長期にわたり、人材を集める体制を作っています。
具体的には、作業員とその家族のために「スラブチッチ」という街を作り、住居を無償で提供しています。また、一般労働者の1.5倍以上の給料を支給しています。さらに、50歳まで働けば国が年金を支給します。加えて、 徹底した健康診断を行い、被ばく線量や病歴などのデータを集め、長期的な健康管理を行うなど徹底しています。
こうした取組のおかげで、チェルノブイリでは、2000人の定員に対し、3倍もの応募が続いているそうです。
また、素晴らしい話だと思うのですが、国民の為に作業をした原発作業員には表彰をし、メダルを贈るなど、国として感謝の意をしっかりと表しているそうです。そのため、そこで働いている方々はプライドを持てるのです。家に帰って自分は原発処理のために働いていると言ったら、家族も喜んでくれます。原発で働いていることを、近所で嫌がられたり、子供がいじめにあうからと、隠さなくてはいけない今の日本とは真逆の状況です。
廃炉の実現には、人材を確保できるか、そして作業員のモチベーションをアップできるかにかかっています。ですので、思い切って原発を国が買い取り、廃炉にあたる従業員、社員の方々を国が直接雇用し、保障するというのも大きな国有化の理由の一つなのです。
残念ながら、宮沢大臣にはあまり伝わらなかったようで、「人」に対する考え方の答弁も得ることが出来ませんでした。
(出来ない理由として以下を繰り返していました:「破たん処理すると被害者に賠償できない」→(国が肩代わりすればできますし、一緒に取得する送電網からの収益でも払えます)
「いまのスキームで問題をかかえながらもそれなりに機能している」→(歪んだ東電救済制度のもとですから、機構に廃炉機能を持たせてしまうなど、益々おかしくなってきています))
何をするにも人が全てです。
特に前例にないことを成し遂げるためには、モチベーションの維持が不可欠です。
この「原発国有化法案」に関しては、諦めずに提言を続けていきたいと思います。