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福島市内の農家の昨年産コメから、基準超過のセシウム220ベクレル検出。汚染対策の肥料まかず(各紙)

2015-07-10 12:32:50

fukushimakome2キャプチャ

各紙の報道によると福島県は9日、福島市内で自家用に栽培した平成26年産コシヒカリの玄米から、食品衛生法の基準値(1kg当たり100ベクレル)を超える最大220ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。作付けに際してセシウム吸収抑制対策を講じなかったのが原因という。ただ、福島周辺の農地のいくつかは、汚染対策無しでは問題があることを示す例といえる。

 

 汚染米が発見されたのは、福島市飯野町青木地区(旧青木村)の兼業農家男性が自家用で生産した26年産米2袋。男性は6月29日、自ら地元の測定所にコメを持ち込み、簡易測定したところ基準超過となった。このため、県が同農家の生産したコメ全袋を検査した結果、2袋からそれぞれ220ベクレル、と170ベクレルが検出された。

 

 同農家が収穫した玄米は全体で45kgで、いずれも市場には流通していないという。福島県によると、県内の26年産米は全袋検査で約1099万7000袋を調べたが、基準値超えは今回が初めて。

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 男性が作付けした水田は、震災前からほとんど耕作されていなかったが、男性は他の農家から苗をもらったため、放置していた耕作地約1.5アールに自家用として作付けしたという。その際、塩化カリウム肥料を蒔くなどの放射性セシウムの吸収抑制の措置はとらなかった。また耕作地の除染はしていなかった。

 

 福島県は「極めて特異な栽培だった」として、例外的事象であることを強調している。しかし、今回の事例から、他の水田等でも土中に汚染が残っているが肥料等で抑制しているケースがあることが示唆され、耕作地での除染が本当に徹底されているのかどうかという疑念を引き起こしたといえる。

http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/123080.pdf