HOME |東電福島第一原発3号機 使用済み核燃料プールの20㌧に及ぶ最大重量のガレキ撤去へ、今月末、他の作業中断し、厳戒の中で実施。作業の進捗に要注意。(各紙) |

東電福島第一原発3号機 使用済み核燃料プールの20㌧に及ぶ最大重量のガレキ撤去へ、今月末、他の作業中断し、厳戒の中で実施。作業の進捗に要注意。(各紙)

2015-07-26 22:29:52

fukushima3goukipool2キャプチャ

 各紙の報道によると、東京電力は、福島第一原発の3号機にある使用済み核燃料プールに落下したままになっている重さ約20㌧の最大重量のガレキ撤去作業を、今月末に始めると発表した。

 3号機の燃料プール内のガレキは、核燃料を原子炉に出し入れするための燃料取扱機と呼ばれる機械。事故前は燃料プールをまたぐように設置されていた。原発事故の際、建屋で起きた水素爆発によって壊れ、ひしゃげた形でプール内に落下した。

 

 取扱機は当初、全体で重さ約35㌧あったが、これまで部分に機械の一部を少しずつ解体、撤去してきたため、約20㌧にまで減少している。しかし、それでも今回は20㌧の塊をクレーンで吊り上げる作業が必要で、万一、作業途中に落下すると、プール内に残っている燃料を破損するリスクのほか、プール自体にダメージを与える恐れがある。

 

 このため、作業は慎重を期して進めなければならない。このため、東電は、ガレキ撤去作業中は、構内の全作業を中断する厳戒態勢で臨む方針だ。またプール内の燃料の一部については、緩和材付きの板で覆う対策をとっている。

 

 東電はガレキ撤去のために専用の器具を開発した。プール内に沈んでいる燃料取扱機の3カ所にそれらの器具を引っ掛けて、2台のクレーンでバランスを取りながら引き上げる計画だ。

 

 作業で懸念されるのは、クレーンでの吊り下げ作業に加えて、取扱機の近くに、燃料プールと原子炉を隔てるゲートがある点もあげられている。吊り上げ作業中に取扱機がゲートに接触してプールの冷却水が原子炉側に漏れると、燃料の冷却ができなくなったり、燃料がむき出しになって強い放射線が直接出る危険があるためだ。

 

 福島原発周辺の住民は、作業中のこうしたリスクを避けるため、作業工程の進捗状況の情報に注意を払う必要がある。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/index-j.html