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関西電力 高浜原発3号機 29日にも再稼動へ。初のプルサーマル原発の再稼動。4号機も来月下旬。九電川内原発に次ぐ再稼動(RIEF)

2016-01-25 18:20:23

takahama3キャプチャ

 関西電力は25日、高浜原発3号機(福井県)を29日夕方に原子炉を軌道させ、再稼動させる計画を原子力規制委員会に提出した。新規制基準に基づく原発の再稼動は、九州電力の川内原発(鹿児島)に次いで2ヶ所目。関電は31日には高浜4号機にも核燃料を入れ、来月下旬の再稼動を目指す。

 

 東京電力福島第一原発事故で停止した原発の再稼動は、原発の基数では、川内原発の1、2号機に続いて3基目となる。高浜3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電で、同発電の再稼動は初めて。

 

 高浜原発の再稼動は曲折を経て展開した。15年2月には規制委の安全審査に合格し、関電は再稼働の準備を進めた。しかし、福井地方裁判所は同年4月、3号機と4号機の再稼働を認めない仮処分を決定した。

 

 これに対して、関西電力が異議を申し立て、同地裁は12月に一転、異議を認めて仮処分決定を取り消した。その後、関電は地元の高浜町、福井県の同意を得たほか、25日には、一部地域が高浜原発から半径30km圏内に入る滋賀県との間でも、緊急時の通報体制などを盛り込んだ安全協定を締結した。

 

 滋賀県との協定は、滋賀県が求めていた再稼動時の同意権は盛り込まれず、また市域の一部が30km圏に入る滋賀県高島市は直接協定には参加できないなどの課題を抱えた内容だ。だが、滋賀県と同市が確認書を交わす形で、万が一の事故の際の対応を確認して合意した。

 

 関電によると、29日に、原子炉の核分裂を抑える制御棒の駆動検査などを行う。その後、規制委の保安検査を受けて、問題がないようならば、同日夕にも制御棒を抜いて原子炉を起動させる予定。順調にいけば、2下旬には運転を始めるという。3号機には、昨年12月の時点で、MOX燃料24体を含む157体の燃料集合体が原子炉に装填されている。

 

 同原発4号機も今月31日以降、原子炉への核燃料の搬入を始める計画で、再稼働の準備を急ぐ。このほかの原発では四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)が規制委の審査に合格し、今春以降に再稼働する見通しだ。

 

 発電に占める原発比率が高かった関電は、10電力のうちで、原発停止の影響をもっとも受けた。15年3月期まで4連続で最終赤字を計上。原発を動かせず、代替の火力発電用の燃料費増大の影響が大きかった。15年3月期の自己資本比率(単体)は9.4%と過去最低となった。

 

 関電の計算では、高浜原発3機の再稼動で営業利益は年720億円押し上げられるという。4号機の再稼動効果も合わせると営業利益は1440億円上積みされる。関電は再稼働で増える営業利益の一部を電気料金引き下げに振り向けるとしている。4月からの電力小売り全面自由化で新電力の市場参入が激化し、競争が高まるためだ。

http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/0125_2j.html