HOME2. 保険 |第一生命保険、21年度からの新中期計画で、投資ポートフォリオ中のCO2排出量を2025年までに3割減の中期目標。23年度までに7000億円株売却。投資先CO2削減目標は日本生命に次ぐ(RIEF) |

第一生命保険、21年度からの新中期計画で、投資ポートフォリオ中のCO2排出量を2025年までに3割減の中期目標。23年度までに7000億円株売却。投資先CO2削減目標は日本生命に次ぐ(RIEF)

2021-03-05 13:10:52

daiichi1キャプチャ

 

 各紙の報道によると、第一生命保険は、2025年までに投資ポートフォリオからのCO2排出量を約3割(2020年比)減らす中期計画を打ち出す。CO2排出量の多い企業株については、23年度までに約7000億円規模を売却等によって減らすという。生保業界では日本生命も2030年までポートフォリオからのCO2排出量を26%減らす計画を21年度から始めることを決めている。生保大手が投資先のCO2排出量削減を計画的に進めることで、投資先の産業界等の脱炭素経営が後押しされる期待が高まる。

 

 日本経済新聞が報じた。第一生命は運用資産約36兆円を保有する。21年度からの中期経営計画に投資先企業全体のCOs排出量の削減目標を盛り込むという。70兆円の運用資産を抱える生保トップの日本生命も「脱炭素」方針に基づき、2030年度には投資先全体のCO2を26%減らし、2050年度にはゼロとする方針を打ち出している。http://rief-jp.org/ct2/110293

 

 第一生命では、まず、保有投資資産のうち、株式、社債、不動産を対象にCO2排出量の少ない投資への切り替えや、投資先へのエンゲージメントを進める。その後、国債なども順次対象に加えるという。同社の株、社債の投資先から出るCO2排出量は出資分ベースで試算すると年1000万㌧程度という。これを踏まえると、25年の中期目標の達成には同300万㌧程度の削減が必要になる。

 

 このため同社では、投資先の脱炭素状況を踏まえて、年1000億円以上の株式を売却するとしている。エンゲージメントは、CO2排出量で上位を占める企業に対して集中的に行い、脱炭素への経営転換を促す。グリーンボンド等への投資も20年3月末時点の5000億円程度から、24年3月末までに1兆円まで積み増す。外国株式の運用で用いる指数も全面的に環境配慮型に切り替える。

 

 グループ企業のプロテクティブや第一フロンティア生命保険などを合わせた第一生命ホールディングス全体のCO2排出量についても、25年度までに半減させ、40年度までに実質ゼロの達成を目指す。そのため、当面は排出量取引の枠組みを活用し、中長期的には現在51カ所に投融資している再生可能エネルギー事業からのCO2の削減分を活用し、自社使用電力からのCO2を相殺する。

 

 計画の実行を確実にするため、CO2排出量を削減する機関投資家の国際団体にアジアで初めて加盟する。仏アクサなど欧米の機関投資家と連携して、世界の大手企業に脱炭素を促す体制を整えるとしている。

https://www.dai-ichi-life.co.jp/

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210305&ng=DGKKZO69673620U1A300C2EE9000