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日本生命、全保有資産のポートフォリオが抱える温室効果ガス排出量を、2030年に45%(総排出量)削減する等の中間目標設定。脱炭素ファイナンス枠を今後3年間で5000億円設定(RIEF)

2022-03-18 09:15:23

nisseiキャプチャ

 

 日本生命は17日、70兆円を超す同社の保有資産ポートフォリオ全体が抱える温室効果ガス(GHG)排出量を、総排出量で2030年度現状より45%削減(2020年比)するなど、2つの中間目標を設定したと発表した。対象資産はこれまでの国内上場株・社債から、内外上場株、同社債、不動産に拡大する。目標達成のため、今後3年間で5000億円の「脱炭素ファイナンス枠」を設定、再エネファンドオブファンズ等に投資する。

 

 設定した中間目標は、総排出量目標に加え、投資一単位当たりの排出量を意味する「インテンシティ」についても、30年に49%削減(2020年比)と設定した。総排出量はIPCCの目標水準に整合するもので、インテンシティは「ネットゼロ・アセットオーナーズ・アライアンス(NZAOA)」の目標水準への整合を念頭に置いているとしている。

 

 対象資産のGHGについてはScope1と同2を対象とする。また投資資産のGHG排出量を計測する国際的イニシアティブの「Partnership for Carbon Accounting Financials(PCAF)」に加盟した。PCAFはこれまでに上場株、社債等6つの資産クラスを対象としたGHGの計測基準を開発しており、PCAFの測定手法を参照して投資資産の排出削減を進める。

 

 同社はこれまでも5000億円規模の資金を脱炭素投資に振り向けてきたが、今回、改めて5000億円の脱炭素ファイナンス枠を設定した。同ファイナンスでの投資対象資産は、再生可能エネルギー関連、グリーンボンド、脱炭素の新技術関連、トランジションファイナンス等としている。

 

 同枠を生かして、「脱炭素ファンドオブファンズ」(約200億円)、「ベンチャー投資ファンド」(約100億円)、「再エネファンドオブファンズ」(約300億円)への投資を決定した。「脱炭素」と「再エネ」の両ファンドは同社傘下のニッセイアセットマネジメントが運用する。「ベンチャー」ファンドは「SVB CP CLMATE IMPACT CP, LLC」が運用する。

 

  同社は、2021年度より、保有資産全体をESG評価する「ESGインテグレーション」を取り入れ、ESG評価と財務評価を資産運用において統合し、ポートフォリオ中の温室効果ガス排出量の約8割を占める企業へのエンゲージメント活動を展開するなどの活動を評価され、第7回サステナブルファイナンス大賞で最優秀賞(大賞)を受賞している。https://rief-jp.org/ct2/122203

 

https://www.nissay.co.jp/news/2021/20220317b.pdf