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日本郵船、国内初のトランジションボンド約200億円を月内に発行へ。調達資金は「薄いグリーン」の液化天然ガス(LNG)燃料の自動車船購入費用等に充当(RIEF)

2021-07-03 13:43:39

NYKキャプチャ

 

 日本郵船は2日、国内で初めてとなる温室効果ガス排出量を軽減させるトランジションボンドを200億円発行する計画を発表した。調達資金は、液化天然ガス(LNG)燃料の自動車船購入費用等に充当する予定という。同社が同時に公表したグリーン/トランジションフレームワークによると、再生可能エネルギー事業やアンモニア燃料船等のCO2排出ゼロを見込める事業はグリーンボンドで、CO2排出量が相対的に少ない「薄いグリーン」のLNG燃料船等はトランジションボンドで調達する仕分けとしている。

 

 (写真は、日本郵船が昨年竣工させた国内初のLNG燃料自動車運搬船)

 

 発行するボンドは期間5年の100億円分と、同7年、10年の100億円に分かれる。主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券社、野村證券、ゴールドマン・サックス証券、みずほ証券の4社が担当する。トランジションボンドの評価については、ノルウェー系のDNVビジネス・アシュアランス・ジャパンが国際資本市場協会(ICMA)のクライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック等への適合性を付与した。

 

 日本郵船のフレームワークによると、「薄いグリーン」を意味するトランジションボンドの資金使途先は、LNG船のほか、LNG燃料供給船、LPG 燃料船、運航高効率化&最適化に関する技術的支出の4項目をあげている。調達資金は、対象事業に全額が充当され るまで、1年ごとに内部管理システムで管理し、発行から2年以内に適格プロジェクトへ充当する予定としている。

 

 ICMAの分類では同ボンドは機関投資家にとって、ESG債の範疇に入る。だが、CO2フリーではないことから、投資ポートフォリオでのCO2評価をする際には、ICMAのハンドブックではLNGのタクソノミーを定めていないので、実際に資金使途策の排出量を測定するか、EUのタクソノミー等を応用(天然ガス発電のCO2排出量の場合、100gCO2e/kWh以下)する必要がある。

 

 日本郵船では「同ボンドの発行により、資金調達リソースの拡大を図るとともに、候補となる資金使途を通じた低炭素ソリューションの拡充、並びに脱炭素ソリューションの開発と導入による温室効果ガス排出削減の取り組みを加速させる」とコメントしている。

 

https://www.nyk.com/news/2021/20210702_01.html

https://www.nyk.com/news/2021/__icsFiles/afieldfile/2021/07/02/NYK_framework.pdf