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NTT、ユーロ建てグリーンボンド15億ユーロ(約2000億円)発行へ。今月末にも。先月末の円建て3000億円に続いて2か月連続。日本企業のユーロ建てGBとしては過去最高額(RIEF)

2021-11-13 09:57:44

NTT00111キャプチャ

 

 NTTは12日、ユーロ建てのグリーンボンドを今月下旬にも発行すると発表した。発行額は15億ユーロ(約2000億円)。同社は10月末に円建てで総額3000億円の同ボンドを発行しており、2か月連続の発行となる。日本企業によるユーロ建てグリーンボンドとしては過去最高額だ。ユーロ建てにすることで欧州の機関投資家の需要に答える方針だ。調達資金はグループで展開する再生可能エネルギー事業などの脱炭素投資に充当する。

 

 同社としてユーロ建てグリーンボンドの発行は初めてとなる。子会社のNTTファイナンスを通じて発行する。償還期限が4年、7年の2本建てとする。利率はそれぞれ0.1~0.2%、0.3~0.4%程度を見込んでいる。

 

 NTTは10月28日に、合計3000億円のグリーンボンド(3種類)を発行している。2040年度までに温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロ(カーボンニュートラル)とする目標を公表しており、目標達成のための投資資金調達の一環とした。今回のユーロ建ての資金使途も同様に、グループ全体の脱炭素化に充当する。セカンドオピニオンは円建て債同様、SustainalyticsがICMAのグリーンボンド原則(GBP)への適合を付与した。https://rief-jp.org/ct4/118724?ctid=69

 

 特に同社では、独自の光技術を使った次世代通信網「IOWN(アイオン)」の研究開発を進めており、再エネ投資に加えて、IOWN開発にも充当する計画だ。

 

  日本企業発行のグリーンボンドは年々増大しているが、ほとんどが円建てで国内投資家向け。しかし投資家の投資力の制約等から、大規模な発行は限られている。またグリーンボンドの資金使途等の評価も、国際水準に比べて「緩い」環境省のガイドラインに基づき、信頼性に課題を抱えているものも少なくない。

 

 ユーロ建てや米ドル建てでの発行の場合、市場基準とされる国際資本市場協会(ICMA)の基準に加えて、各投資家が独自の視点で「グリーン性」と企業の財務力を評価するケースが多い。また発行規模も、日本市場での「100億円」レベルではなく、投資家需要を満たすために、一ケタ多い「1000億円前後」が求められる。

 

 今回のNTTのユーロ建てはそうした「国際基準」を満たすものといえる。これまで、日本企業によるユーロ建てグリーンボンド発行は、2014年に日本政策投資銀行が国内企業初のグリーンボンドとして2億5000万ユーロのグリーンボンドを発行した後、3メガバンク等が5億ユーロ前後で発行している。銀行以外では、2017年にトヨタ自動車の北米の金融子会社である Toyota Financial Services (TFS)が6億ユーロのグリーンボンドを発行。今年に入って日本電産が5億ユーロ分を発行している。https://rief-jp.org/ct4/74814

https://www.ntt-finance.co.jp/ir/greenbond/