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TDK、年内に国内の全製造拠点の電力を再エネ100%に切り替え。4月1日からまず東北・新潟で再エネ化実施。物流、製品分野での排出量は増大。Scope3の削減が課題(RIEF)

2023-03-30 16:17:56

TDK003キャプチャ

 

  TDK(東京)は30日、2023年中に日本国内の主要製造拠点全ての電力を再生可能エネルギー100%の電力に切り替えると発表した。先行する形で、東北・新潟地域の製造拠点の電力を4月1日から、東北電力が提供する再エネ100%電力に切り替える。TDKは2035年までにライフサイクルベースでのCO2排出量原単位を2014年度比半減(スコープ1~3)等の目標を立てている。

 

 (写真は、同社の稲倉工場)

 

 同社の国内全製造拠点での再エネ電力の使用比率は、4月からの東北・新潟地域の再エネ化を含めると、全体で60%を超える見込みとしている。残りの40%分を年末までに再エネ電力に切り替える。

 

 「TDK環境・安全衛生活動2025」では、2025年までにCO2排出原単位を、2014年度比30%改善(スコープ1~3)、2025年までに再エネ導入率50%達成(スコープ2)等を掲げている。21年度実績では、内外全体での再エネ100%導入拠点数は21、導入率30.0%となっている。また2025年度での内外全体での再エネ電力の導入目標を50%としている。

 

TDKの生産拠点の排出量推移
TDKの生産拠点の排出量推移

 

 同社全体の温室効果ガス(GHG)排出量は21年度実績で、2752万㌧。このうち大半(93%)をスコープ3(2582万㌧)で占める。スコープ1は14.7万㌧、同2は155万㌧となっている。生産拠点でのCO2排出量は再エネ導入等が削減に貢献し、21年度実績で前年度比25.2%改善したとしている。ただ、物流部門のCO2排出量は生産量増加による製品輸送の増加により同6.7%悪化した。製品によるCO2削減貢献量は、前年度比12.8%増の296.9万㌧で、排出原単位では同12.3%悪化した。

TDKの物流部門の排出量推移

TDKの物流部門の排出量推移

 

 同社のGHG削減策は、再エネ導入が可能なスコープ2の削減は順調なようだが、中国等、グローバルに展開するサプライチェーンで排出CO2のスコープ3の削減策が課題といえる。

 

 TDKは、アジア、欧州、北米、南米に設計、製造、販売のネットワークを有し、自動車、産業電子機器、コンシューマー製品、そして情報通信機器など幅広い分野のビジネスを展開している。2022年3月期の売上は約1兆9,000億円で、従業員総数は全世界で約117,000人。

https://www.tdk.com/ja/news_center/press/20230330_01.html

https://www.tdk.com/ja/sustainability2022/environmental_responsibility/climate-action