HOME |水田の「中干し期間延長」でJ-クレジット創出するため、全国の農家や自治体等に共同でクレジット創出を呼び掛ける「稲作コンソーシアム」発足。年間700万㌧のCO2削減効果の期待も(RIEF) |

水田の「中干し期間延長」でJ-クレジット創出するため、全国の農家や自治体等に共同でクレジット創出を呼び掛ける「稲作コンソーシアム」発足。年間700万㌧のCO2削減効果の期待も(RIEF)

2023-04-10 15:02:32

nakaboshiキャプチャ

 

 稲作からカーボンクレジットを創出する取り組みが始まる。Green Carbon(東京)は、Natural Capital(福岡市)が設立した「ナチュラルキャピタルクレジット・コンソーシアム(NCCC)」と連携し、水田で中干し期間を延長した場合に創出が認められる温室効果ガスのメタンの削減を、まとめてJ−クレジットを取得する。小規模水田でもコンソーシアムで集約することで、クレジット化できることを目指す。

 

 水田の中干しは、水稲の栽培期間中、出穂の前に一度、水田の水を抜いて地面を乾かす作業をいう。これにより、水稲の根元からの枝分かれ等を防ぎ、成長を制御し、実りを豊かにできる方法だ。中干し作業によって、土壌からのメタン(CH4)の排出量が抑制される効果が起きる。J-クレジット運営委員会は3月、対象となる水田で、直近2年以上の平均中干し実施日数より7日間以上、中干し期間を延長することで、メタン削減によるクレジットの創出を認める方法論を採択した。

 

 これを受け、Natural Capitalは日本国内でのJ-クレジット創出を目的に、稲作コンソーシアムを発足させた。今回、クレジット創出で実績のあるGreen Carbonと連携し、コンソーシアムに参加する全国の水田を保有する農家、企業、自治体等に呼び掛けて、保有水田のコンソーシアムへの登録活動を始めた。

 

 個々の農家が個別に中干し期間の認定等を取得して、J-クレジットを登録・申請するには作業の手間がかかり、負担も大きい。個別にクレジット取得までの作業を行う場合は、登録・クレジット発行費用等で数百万円必要になるとの試算もある。J-クレジットに申請する際、「100t以上のCO2削減・吸収見込み」が条件となる。

 

 Green Carbonの推計では、日本の水田面積は約236万6000haに上る。日本全土の水田で中干し期間を延長した場合のCO2削減量は、約709万8000t(3t-CO2/haで計算)となり、カーボンクレジット創出量に換算すると、約354億9000万円の経済価値を創出できる(5000円/tで計算)と指摘している。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000117956.html

http://green-carbon.co.jp/j-%e3%82%af%e3%83%ac%e3%82%b8%e3%83%83%e3%83%88%e5%89%b5%e5%87%ba%e3%81%ab%e5%90%91%e3%81%91%e3%81%9f%e7%a8%b2%e4%bd%9c%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%82%a2%e3%83%a0%e3%81%ae%e7%99%ba/

https://japancredit.go.jp/pdf/methodology/AG-005_v1.0.pdf