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日揮ホールディングス、9月以降に初のグリーンボンド。100億円発行へ。石油・ガス軸のビジネスモデルから、「エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立」等を目指す(RIEF)

2023-08-09 23:45:08

nikki001キャプチャ

 

 日揮ホールディングスは9日、同社として初となるグリーンボンドを9月以降に発行すると発表した。発行額は100億円。資金使途は、同社の中期経営計画に基づく重点戦略分野の、廃食用油を原料とする持続可能な航空機燃料(SAF)事業への投資や、EV自動車向け高効率・高出力パワーモジュール用の高熱伝導窒化ケイ素基板関連の設備投資等を想定している。同社はScope1~2排出量は2030年に排出原単位の30%削減を掲げ、Scope3は「ステークホルダーと協調削減する」としており、今回のSAF事業等はその対象と位置付けている。

 

 発行するグリーンボンドは期間5年。主幹事は、野村證券、SMBC日興証券、大和証券、みずほ証券の4社。このうちストラクチャリングエージェントは野村證券が務める。セカンドオピニオンは格付投資情報センターが付与した。

 

 日揮グループは、自社のパーパス(存在意義)を「Enhancing planetary health」と定義し、長期経営ビジョン「2040年ビジョン」で、2040年に向けて解決すべき社会課題として「エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立」、「資源利用に関する環境負荷の低減」、「生活を支えるインフラ・サービスの構築・維持」を掲げている。Planetary healthの向上に向け、低・脱炭素化に資する事業や技術の開発に取り組む、としている。

 

 今回のグリーンボンド発行は、こうした長期ビジョンに沿った最初の5年間(2021~2025年度)を対象とする中期経営計画「BSP2025」の重点戦略の「高機能材製造事業の拡大」の対象とするEV車向けパワー半導体用高熱伝導窒化ケイ素基板の増産に向けた設備投資計画のほか、「将来の成長エンジンの確立」とする、水素・燃料アンモニア、ケミカルリサイクル、持続可能な航空燃料(SAF)等の脱炭素化関連の複数のプロジェクトを推進するための資金調達に資するためとしている。

 

 GHG排出量については、Scope1~2について、2050年ネットゼロ、30年原単位30%減とするとともに、Scope3は「ステークホルダーとの協調削減に取り組む」としている。排出実績は2021年度でScope1~2が13万3573㌧で売上高ベースで前年度比%増、Scope3は70万2873㌧でScope1~2の約5.3倍になっている。

 

  日揮グループは長く石油・ガス事業を事業の柱に据えてきた。今回、企業パーパスを再定義したうえで、2040年に向けて目指す姿を定め、解決すべき社会課題として「エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立」等を掲げ、ビジネス領域・ビジネスモデル・組織の3つのトランスフォーメーションに取り組むとしている。

https://www.jgc.com/jp/news/2023/20230809.html

https://www.jgc.com/jp/esg-hsse/environment/green-bond/pdf/greenbond_framework.pdf

https://www.jgc.com/jp//esg-hsse/environment/green-bond/pdf/secondparty_opinion.pdf