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年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、海外のダイバーシティ経営先進企業対象の株式指数投資へ。2020年度にも実施。国内のダイバーシティ出遅れ企業株へのDivestmentも実施してもらいたい(各紙)

2019-09-30 16:34:16

gpif3キャプチャ

 

 各紙の報道によると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、女性らの多様な人材が力を発揮できるダイバーシティ経営を展開している海外企業を対象とした株式指数を採用し、指数を構成する企業に対して総額数千億円規模で投資するという。早ければ2020年度から実施するとしている。ダイバーシティ経営の優れた企業は海外に多いが、日本のダイバーシティ出遅れ企業へのDivestment(投資引き揚げ)も並行して実施してもらいたいものだ。

 

 日本経済新聞が報道した。同紙によると、GPIFの最高投資責任者(CIO)である水野弘道氏が、ニューヨークで開いたESG投資の国際会議に出席して方針を明らかにした。海外のダイバーシティ経営先進企業をGPIFとして投資対象にする理由について同氏は「女性役員を起用する重要性などに、一層着目してもらうようメッセージを送りたい」と語ったとしている。

 

 GPIFは国内ではMSCIの「日本株女性活躍指数」を採用し。、これまでに4746億円(2019年3月末時点)を当該指数構成の企業株に投資しているという。今回の海外企業への投資は、これまでの投資を海外に展開することになる。海外向けの新指数数は10月1日から公募するという。

 

  企業のダイバーシティ等を評価する国際指数の「Refinitive Global Diversity & Inclusion Index」によると、2016年6月末時点で、100社中に日本企業はNTT ドコモ(32位)、資生堂(58位)、ソニー(64位)、富士通(65位)の4社がランクインしている。

 

 ダイバーシティ先進企業に絞って投資する一方で、GPIFの公的な役割からすると、出遅れ企業に対するエンゲージメント等も求められる。日本企業全体のダイバーシティが進まず、特に女性の役員比率が極めて低い現状からすれば、そうした企業を投資対象からはずすDivestmentも一つの選択肢になるはずだ。

 

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190930&ng=DGKKZO50367330Z20C19A9NN1000

https://www.gpif.go.jp/