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中米経済統合銀行(CABEI)の円建てブルーボンド私募債、日本の住友、大同両生保が投資。ドル建てソーシャルボンドは台湾の機関投資家が購入。シティグループの日台機関がアレンジ(RIEF)

2023-03-27 20:28:46

CAbei001キャプチャ

 

  国際公的金融機関の中米経済統合銀行(CABEI)は、日本の大同生命保険、住友生命保険のほか、台湾の機関投資家を対象とする円建てブルーボンド70億円と、ドル建てソーシャルボンド1億3000万㌦(約170億円)を私募の形で発行した。アレンジャーは日本のシティグループ証券と台湾のシティグループ・グローバル・マーケッツ台湾セキュリティーズの両社が担当した。ブルーボンドの主な資金使途先事業は、コスタリカの河川流域地域での給水事業等を想定している。同ボンドは日本の生保2社が引き受けた。

 

 CABEIは2022年12月にブルーボンドフレームワークを創設したばかりで、今回のボンド発行は同フレームワークに基づく第二弾となる。同機関は、2019年にグリーンボンド、2020年にソーシャルボンドの各フレームワークを公表しており、今回のブルーボンドフレームワークと統合し「グリーン&ブルーボンドフレームワーク」として整備している。

 

 今回発行したボンドはブルーボンドもソーシャルボンドも期間10年。日本の2生保が私募で引き受けたブルーボンドの資金使途は、主に水資源保護、持続可能な水管理、再エネ事業、自然保護等の適格プロジェクトを列挙している。適格プロジェクト対象のコスタリカでの給水プロジェクトは、同国のパロ・ベルデ国立公園を流れるテンピスク川の中流域沿岸の地域住民向けに給水する事業で、ダム、貯水池、パイプライン、水処理プラント、発電所等の建設事業が含まれる。

 

 台湾の機関投資家が引き受けたドル建てソーシャルボンドは、必要不可欠な社会サービスへのアクセス、雇用創出、社会経済的エンパワーメント、手頃な価格の生活インフラ、食料安全保障、持続可能な食料システムの支援等を資金使途先としている。両ボンドにはSustainalyticsがセカンドオピニオンを付与した。

 

 両事業をアレンジしたシティグループは、国際公的金融機関発行のESG私募債を、二カ国の複数の機関投資家が共同で投資をするのは初の事例としている。日本のシティグループ証券市場営業本部長、松本圭太氏は「シティはESG私募債市場でのパイオニアとして、2021年以降、顧客企業のブルーボンドの発行に数多く携わっている。今後もグローバルな金融機関としてブルーエコノミーに寄与していきたい」とコメントしている。

 

 シティバンク台湾リミテッド、市場部門責任者のエスター・フェン氏は「台湾と日本におけるチームによる協働は、両国の機関投資家の中米のインフラプロジェクトへの参加を促し、気候変動や持続可能な開発にかかる課題にも貢献する」と述べている。

https://www.bcie.org/fileadmin/bcie/espanol/archivos/novedades/publicaciones/institucionales/NINT_-_CABEIs_Green_and_Blue_Bond_Framework_20221201_FINAL.pdf

https://www.citigroup.jp/jp/news/release/2023/20230131a.html