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国際的環境NGOが、主要銀行の化石燃料ファイナンスをストップさせるための国際キャンペーン・プラットフォームを立ち上げ。日本の4銀行グループもターゲットに(RIEF)

2021-05-19 08:18:30

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 国際的な環境金融NGOのBankTrack(オランダ)は、グローバルな銀行による化石燃料産業への投融資をストップさせる活動に取り組んでいる世界各国のNGOやキャンペーン団体の活動を一括して紹介するキャンペーン・プラットフォームを開設した。その名も、「Fossil Bank No Thanks(化石産業支援の銀行はもうたくさんだ)」(www.fossilbanks.org)。BTによると、2015年のパリ協定採択以降、世界の60の主要銀行は化石燃料産業に3兆8000億㌦(約414兆円)の資金を注ぎ込んできたとしている。

 新プラットフォームは、銀行による化石燃料産業へのファイナンスに対するグローバル・レジスタンスを示すものと位置付けている。プラットフォームの立ち上げには、世界19カ国の約50の団体・機関が支援を表明している。日本の3メガバンクも石炭関連融資の多さで知られるため、そうした行動を監視している日本の環境NGOの気候ネットワーク(KIKO)や「環境・持続社会」研究センター(JACSES)等も参加している。

 グローバルキャンペーンの対象と想定する「60の主要銀行」の中には、日本の三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングスの4銀行グループがランクされている。

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 サイトでは、気候変動対応を促進するための脱石炭・脱化石燃料行動を金融機関にとらせる活動を展開しているNGOやキャンペーン団体等の活動状況を発信することで、同じ金融機関や同じ地域での似た金融機関等への共同行動を取り易くするほか、共同キャンペーンを展開する連携の場にも活用できる。また、キャンペーン団体への情報提供や効果的なキャンペーン資源・ツールの提供も進めるとしている。

 主宰するBankTrackは長年にわたって、主要な銀行の環境影響活動をウォッチしてきた経験を持つ。銀行の環境・社会行動についての豊富なデータのほか、各国のNGO等との多様なネットワークを構築している。今回、化石燃料ファイナンスに特化したサイトを立ち上げることで、バイデン政権の登場で政策面で盛り上がってきた気候変動対策の加速を、改めて主要な金融機関に促すことを目指す。

 また現在は、主要企業の株主総会(AGM)シーズンであり、各銀行、企業での気候変動対応を求める株主提案等が実施されている。特に主要銀行の株主総会での化石燃料関連の株主提案の採択情報等も発信していく。また11月の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)に向けて、金融機関の中長期対応についてもウォッチし、働きかけを強めていくとしている。

 BankTrackの気候キャンペーナーのDaisy Termorshuizen氏は「COP26が11月に予定され、銀行への活動を展開する団体がグローバルに結束し、活動の成果を示す機会が到来している。今回、立ち上げたプラットフォームを活用し、銀行に対して共同行動を強めたい。銀行はこれまで、パリ協定への適合コミットメントを再三にわたって表明してきた。だが、現実は、この間も化石燃料産業へのファイナンスを継続してきた」と指摘している。

https://www.fossilbanks.org/