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出光興産、オーストラリアの石炭鉱山内の遊休地で、バイオマス発電用の「ソルガム」栽培。「ブラックペレット化」して輸出目指す。既存石炭火力からのCO2排出削減に貢献(RIEF)

2020-09-09 12:06:07

idemitsu001キャプチャ

 出光興産はオーストラリアの石炭鉱山内の遊休地等を活用して、バイオマス発電燃料に使用できる植物「ソルガム」を栽培し、半炭化した木質ペレット(ブラックペレット)として製品化する事業の試行を始めたと公表した。ソルガムを既存の石炭火力発電に混焼させると、CO2排出量を減少させることができる。

 (写真は、エンシャム石炭鉱山でのソルガムの植生試験の様子)

 出光は100%子会社の出光オーストラリアリソーシス(ブリスベン)を通じて、クイーンズランド州にあるエンシャム石炭鉱山(同社の保有権益85%)が抱えている鉱山内遊休地、用役設備等を活用し、ソルガムの生育と、木質ペレット化の試験を開始した。

 ソルガムは降雨量が少ない同地での生育に適しており、7月までの生育は順調で、このほど収穫した。現在は、収穫後のソルガムを木質ペレット化する試験中という。ソルガムの木質ペレット化に際しては、耐水性、粉砕性などが優れ、石炭と同様に扱うことができる半炭化させたブラックペレットとして製品化する。

 同プロジェクトに対しては、地元のクイーンズ州政府から、2万豪㌦の補助金を受けている。バイオマス燃料化が成功すると、同地は石炭の輸出に加え、日本等に向けたブラックペレットの輸出も可能になる。

 日本では海外のバイオマス燃料に頼った大型のバイオマス発電が各地に建設されているが、生態系保護等と両立した燃料確保が課題となっている。また石炭火力発電は減少の方向性が示されているが、同社ではバイオマス混焼で、既存の運転中の石炭火力からのCO2削減に貢献するとしている。

 https://www.idss.co.jp/news/2020/200903_1.html