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京大など、太陽電池変換効率を40%超に改善(各紙)

2012-07-10 06:44:19

ソーラー発電は広がるが・・
各紙の報道によると、太陽光から効率よくエネルギーを取り出す技術を京都大学や関西大学が相次いで開発した。家庭に普及する太陽電池は10~20%ほどしか電気エネルギーに変換できていないが、新技術では2倍以上のエネルギーを取り出せる。両大学はそれぞれ共同研究先の企業を募り、早期の実用化を目指す。


 京大の野田進教授らは、幅広い波長の太陽光を太陽光発電に使いやすい特定の波長に変える。




 加熱すると特定の波長の光だけを出す半導体と、光を閉じ込めたり増幅したりする「フォトニック結晶」を組み合わせた材料を開発した。太陽光をレンズで集めて新材料を加熱すれば、太陽電池に適した波長の光だけ出せる。エネルギーの変換効率は40%以上になる計算だ。研究成果は科学誌ネイチャー・フォトニクス(電子版)に報告した。




 関西大の佐伯拓准教授らは、太陽光をレーザーに変換できる結晶を開発した。出てきたレーザーは、鉄やアルミニウムの酸化物の粒子に照射する。セ氏4700度と超高温になって酸素が抜けた金属粒子ができる。この金属粒子は水と反応して水素ができる仕組み。一連の反応が進むことを確かめた。水素は燃料に使える。




 太陽光をレーザーに変換する効率は60%程度で、レーザーから水素をつくる工程を考えても今の太陽電池の発電効率よりは高いという。