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2013年の世界の風力発電導入量 08年以来の低迷 米国の伸び悩み影響 トップは中国 日本はその30分の1(FGW)

2014-04-10 22:43:50

2013年の新規導入風力発電総量の推移
2013年の新規導入風力発電総量の推移
2013年の新規導入風力発電総量の推移


世界のエネルギー事業者などで作る「世界風力エネルギー協会(World Wind Energy Association)が公表した2013年の新規風力発電設備導入量は3555万kWとなり、前年を900万kWも下回り、2008年以来の水準だった。米国内の投資の伸び悩みが影響した。国別では中国が1600万kwで第一位、日本は50万kWで、中国の約30分の1だった。

累積の総導入量は、 3億1853万kWで、初の3億kW台に乗せた。伸び率は12.8%で、これまでで最低の水準だった。 米国市場は前年の1300万kWから10分の1以下の100万kWに低迷した。米市場の急変は、前年度に駆け込みの税制優遇措置の適用を目指して、前倒し建設が起きた反動が大きい。

 

風力発電による電力供給は、世界の総電力の約4%を占めている。商業ベースの風力発電の導入国は103か国に達した。米国市場の低迷は政策の変動によるが、成長が著しいのはやはりアジア市場で、欧州市場(1億1900万kW)とほぼ同規模にまで膨らんでおり、今年は欧州を上回るとみられている。

 

日本の新規導入50万kWは、1.8%増にとどまった。総導入量は266万kW。政府が導入している再生可能エネルギー発電固定価格買い取り制度(FIT)は、太陽光発電の伸びにはつながっているものの、設備費のかかる風力発電にはあまり利用されていない。このため政府は今年度の洋上風力発電の発電電力の買い取り価格を新たに設定、普及を目指している。

電力に占める風力発電比率が高いのはデンマークで、34%に達している。次いで、スペイン21%、ポルトガル20%、アイルランド16%、ドイツ9%などとなっている。

同協会では、昨年の低迷は一時的な要因によるものと判断、温暖化対応の再生可能エネ発電需要が世界的に増大することから、投資は今年には再び回復し、年間導入量は18年に6400万kWまで増えると推計している。総発電量は、2020年には現在の倍以上の7億kWにまで増大するとみている。

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