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経産・エネ庁 再生エネ買い取り制度の買取価格、発電開始時に修正の方針 「規制リスク」明白に(FGW)

2014-08-20 15:38:26

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solaroogle0408_001_s各紙の報道によると、経済産業省・資源エネルギー庁は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の電力買取時点を現行の設備認定時から、設備稼働時に修正する検討に入ったという。



 

現行のFIT制度では、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電設備に対して経産相の認定を受けた時点か、あるいは発電した電力を、大手電力会社の送電網に接続する申し込みを電力会社側が受領した時のいずれか遅い時点の価格を適用することになっている。

 

しかし、現状では設備の認定や契約を結んだ後、資金繰り等の事情もあって、なかなか着工に踏み切らないケースが起きている。また、とりあえず高い価格での買い取りを確定させ、その後は、資材の価格が下がるまで着工を見合わせるなどのう事業者の思惑も絡んでいるとされる。

 

そこで、実際に発電を始めた時点の価格を適用することにすれば、事業化を促進させる効果が起きるとの判断とみられる。経産省などは、早ければ2015年度の買い取り価格改定に合わせて制度を改めたいとしている。

 

ただ、発電にこぎ着けないと買い取り価格が決まらないことになると、事業者が銀行などから融資を受けにくくなる懸念もある。また、2012年にFIT制度が導入されてから、毎年のように買い取り価格は修正されている。価格だけでなく、今回のように制度の根幹の一つでもある事業計画に影響を及ぼす買取価格の適用時点を、スタートから3年程度で変更するようだと、制度そのものに対する事業者の信頼性も揺らぐ懸念もある。いわゆる「規制リスク」の顕在化である。

 

設備認可後、稼動が遅れるケースの主な理由は資金繰りであり、むしろ金融サイドからの資金繰りを促進するような政策支援を検討するほうが市場の育成、拡大につながると思われる。くれぐれも、市場取引を経験したことのない官僚の”浅知恵”で、事業者を追い込むような事態は避けたほうが望ましい。どうすれば市場機能がより働きやすくなるか、という視点を忘れてはならない。

 

参考記事 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1520140820abau.html