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政府 2030年の温暖化ガス削減目標了承 05年比26%削減。2050年80%削減の長期目標と合致せず(FGW)

2015-06-02 20:56:34

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政府は2日開いた「地球温暖化対策推進本部」会合で、地球温暖化抑制の日本の心目標を、2030年に2013年比で温室効果ガス(GHG)を26%削減とすることを了承した。

 

安倍首相は、今月7、8両日にドイツで開く先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)で、この目標を各国に説明する。

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2013年比26%削減の目標は、京都議定書の目標時の90年比では18%削減になる。欧州連合(EU)は90年比で40%削減を公約しており、米国はこれまでの2020年に05年比17%削減の目標を引き上げ、2025年までに26~28%削減としている。

 

米EUとも、提示した削減目標は2050年までにGHG排出量80%削減というサミットでの合意をその次の目標として達成可能なペースで設定されている。ただ、日本の場合、2050年80%の削減目標に到達する軌跡からは、相当、上ブレした甘い設定になっている。

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安倍晋三首相は「国際的に遜色のない野心的な目標をまとめることができた。具体的な対策や技術の裏付けを伴うものだ」と述べたが、数字的に米欧に比べて削減率が低いことは否めないにもかかわらず、2050年の目標との連動性という点で明確な展望を欠くといわざるを得ない。

 

また、目標削減量を達成するための部門ごとの排出量削減率は、オフィスなどの業務・その他部門と家庭部門がそろって40%削減、運輸部門とエネルギー転換部門もそろって28%減と、かなりの削減率を達成することになるが、部門別で最も排出量の多い産業部門は6.5%の削減にとどめている。

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